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missing JIN ページ6
「ジンくん」
そのあとの言葉を吸い込むようにAの口を塞ぐ
お互いの中を行ったり来たりして
そのあいだにゆっくりと溶かされたそれは
それでも俺たちの中にいつだって残っていてそうする度に蓄積されていく
言葉に出来たならどれだけいいだろう
きっと今より少しはマシなんだろう
俺もお前も思ってることはきっと一緒なのにな
ってそれすら飲み込んで
もう1度キスを落とせば彼女は諦めたように笑う
乱れる吐息、Aはいつだって泣く
涙を掬うように舐めとって目を見れば
言いたいことなんて嫌ってほど伝わってくる
もっと早く出会えてたら、だろ
愛してるって言葉は俺にはきっと似合わなくて、
それでも伝えたいってこのもどかしさは
どこに消えていくんだろうな
叶わないくらいならいっそ忘れてしまいたいのに、
彼女の何もかもが俺に染み付いていて
お前がいなくて寂しいよ
俺らしくもないけど
許されることなら1日中ずっと
ずっと抱きしめられたらいいのに
この子可愛いな、とか
ふとした仕草に惹かれることは何度もあったけど、
こんなに胸が痛くなるようなことはなかった
恋、なんて安っぽいと思っていたけど、
きっとこの感情はそれで
初めてなのかもしれない、と思った
やっぱり俺らしくないよな
って口から溢れた言葉に
何が？
って不思議そうな顔したAの口をまた強引に塞ぐ
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作者名：うた | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/deepblue
作成日時：2018年2月23日 12時
