Girls just wanna have fun (ページ31)

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僕の名前を JIN ページ31

「ねえジンはさ、多分寂しいんだね」

クラブで出会った彼女は最初から知ってたみたいに俺の痛いところをついてきた

急だね、って笑ったけど
埋めてあげようか、なんて彼女が俺の手を取るもんだから
まあ、いいか、なんて

「ホテル街はこっちじゃないよ」

俺の言葉に、前を歩く彼女は少し立ち止まる

「ホテル？行かないよ？」

「ならどこに行くの、家？」

「まあ、別にそれでジンの寂しさが埋まるならいいけど、きっとそうじゃないでしょ？」

「なにそれ」

「言ったじゃん、わたしはそういうことじゃなくて、根本的に違う埋めてあげたいんだよ」

なんで見つけちゃうかなあ、なんて呟けば
彼女は笑って俺を抱きしめる

ああ、お前はきっと未来から来たんだろう

そうじゃなきゃ、そんな風に俺の深いところに手を当てたり出来ないだろうから

「なあ、家行きたい」

「さっき話聞いてた？」

「しないよ、ただ、もっとこうしてたいから」

少し間を置いて彼女は笑って
じゃあ行こうかってまた歩き出す

いらない思い出だらけの俺の頭を
彼女は笑って抱きしめてくれた

次の日目が覚めた俺は彼女の腕を抜け出して
重い頭を抱えて静かに家を出た

Aはきっと、起きていたと思う

それでも何も言わない彼女に
なあやっぱりお前って優しすぎるよって

タクシーに乗り込む
あんなに満たされた夜は初めてかもしれなかった

昼にはAから連絡が来ていたけど
俺は既読をつけずに画面を閉じた