Girls just wanna have fun (ページ17)

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こっちみてきいて MAHOTO ページ17

「マホト、朝だよ！日曜日だよ！」

「んー、、」

あー、やだやだ

まだ寝ていたい

まだこのまま布団にいたいのに

とにかくAの休日に対するやる気がすごすぎてちょっと引いてる

化粧だの風呂だの
見たいテレビがどうだのこうだの

「準備終わったら起こして、、」

「もう終わったよ」

「ん？そっかあ」

「もー！起きてー！」

「んー、分かったってば」

それでもなかなか動き出さない俺をAは見つめる
俺を見てる
お前が見てる

やっと働き出した頭と開いた瞼で時計を見ればもう16時を回ったところで

あー

「なあ、昼なに食べたい？」

なんて聞いてみてもAからの返事はない

「もっとすぐ起きたらよかったね」

言えば彼女は少し唸るような声を出す

「米？麺？パスタ？肉？魚？どれ？」

けしかけるように聞いてもそっぽを向いたまま答えないAの隣に座る

「こっち向いてよ、話聞いて」

それからやっと口を開いた彼女は

「外で食べたい」

それだけ

わかりました、調べますよ

iPhoneを開いてグルメサイトを漁る

「これは？」

「やだ、」

「これは？」

「ちがう、」

これは？ってまたサイトを見せようとした俺に彼女はまた小さく唸る

「なに？」

「どれでもいい」

ああそういう感じね

適当な店を決めて外に出る頃にはだいぶ暗くなっていた

移動中も店に着いてからもAは何も話さないでいて、俺の話に適当に相槌を打つだけだった

機嫌損ねてる

首傾げてる

でも食べてる

美味しいらしい

料理を口に運ぶ度顔を綻ばす彼女はたまらなく可愛い

中途半端な時間帯だからか俺たちの他には1組だけで、
そいつらももう帰ろうと会計を済ませているところだった

ふと外に目を向ければ、なかなか綺麗な夜景だったりして、
これだったら話してくれるだろうかと口を開く

「あれ、なんか夜景きれいだね、二人だけだしここ穴場だね」

「ほんとだ」

「思ってもないタイミングで急にロマンチックが訪れちゃったね」

「かもね」

「こう、肩を抱き寄せてさ、まるまるしかじか、そういうの出来たらいいのにね」

そういうと少し顔をこちらに向けたAに
期待しないでね
なんて笑えば彼女もやっと笑う

できないから

できないけど

彼女が俺を見てる

俺も彼女を見る

綺麗に完食してフォークを置いたAの手を少し握れば
すっかり機嫌をよくした彼女はちゃんと握り返してくれる