悪魔と喰種 ３ 【黒執事】【東京喰種】【男主】

90話 ページ1

無事に豪華客船から出られ、救助船が来るのを待つだけだった



だが、しかし、、、




――――――――

―――――

―――




ｺﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ



その泡がブクブクと浮かび、出てきたのは


シエル『上がれ
A、セバスチャン！』



シエルが手を差し伸べ、間一髪のところで死体に噛みつかれずに済んだ



ｸﾞﾗｯ

安心したのもつかの間に、ボートが揺れた



死体がうじゃうじゃと乗ろうとしてきたのだ




セバスチャンは、オールで死体の頭を吹き飛ばした


俺は、シエルが落ちないよう抱きしめていた




ｶﾞｯ

手がグイッと引っ張られ、海に引きずり込まれそうになった


シエル『わ…ッ！！』


貴『く、そッ！』


俺は、赫子で死体の頭に貫いた



シエル『ど…どれだけいるんだ！？』


数え切れないほどの死体が、ボートに引き寄せられている



横を見れば、脱出できたボートがいくついた



シエル『くっ…

生存者を危険に晒すわけにはいかない…っ。』



セバスチャン『幸いといいますか、不幸といいますか



一番間近な魂だけにしか、目がないようですからね！』




貴『ほんと、アホな死体共だことっ！』


俺とセバスチャンは、死体がボートに上がってこぬよう防いだ



シエル『ここで食い止める


やれるな、A、セバスチャン。』



セバスチャン『使用人に問いかけなど不要です。』



貴『まったくですよ、坊ちゃん。ｸｽｯ』


セバスチャン/貴『どうぞ、ご命令を。』



シエルは眼帯の紐を解き、契約の印が描かれている目を見せた




シエル『命令だ
A、セバスチャン




掃討しろ！！』




セバスチャン/貴『御意 ご主人様(イエス マイロード)』



セバスチャン『少々揺れますよ、ボートに掴まって。』



貴『アトラクション感覚で、楽しんでくださいね！』



俺達は、一斉に斬りつけにかかった


セバスチャン『面白い…

人間は死して尚、他者を蹴落とし、欲しい物を手にしようとするのですね。



本当に強欲な生き物だ！！』




貴『ふふ、アハハっ！』


赫子を、死体にぐさぐさと刺していく



それでも踠き、魂を求め、手を伸ばす姿は滑稽で面白い



所詮自我を失くした、脆いだけの死体



勝てるわけがない


それでも、手を伸ばし続ける





貴『面白いなあ！

ホラ、頑張れ！アハハハハっ』



笑いが止まらないよ



本当にこの世は弱肉強食で、弱いのが強いものに足掻く姿は見ていて飽きないものだ

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