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#19 ページ19

緑side

  先輩と少しだけ揉めたあと、俺は先生に軽くだけ先輩の状態を教えてもらった。

  後輩とかでも関係無いらしくて、中一やから?はっきりとは言われなかった。

  ただ『大毅くんとの時間を大切にしろ』って。

  ドラマで余命が少ないときよく聞く言葉…。

先生 「君にはもうこれぐらいしか言えないから…」

神山 「そう、ですか。先輩のとこ行って良いですか」

先生 「…うん、」

  先生の後について先輩の部屋まで行った。

  病室とか入ったことないから何か前に立つだけで緊張する…。

先生 「…大丈夫?」

神山 「あ、はい…。」

先生 「開けるよ」

  そう言って、先生がドアを開ければすぐに先輩が見えた。

重岡 「…神ちゃん?マジで泊まる気なん」

  そうやって笑う先輩。先輩も知ってるはずなのに…。何でこんなに強いんだろう。

  何か分かんないけど先輩の笑顔見たら、涙が溢れてきた。

重岡 「…どしたん、」

神山 「うぅ…グスッ 何か、分かんない…」

  先輩に心配かけないために言ってた『大丈夫』って言葉も出てこなかった。

  ただ、理由もわからず泣き崩れて迷惑かけるだけ。

重岡 「…聞いたんやろ、何で聞いたん。」

  気付くと先生はもういなくて、先輩が優しく話しかけてくれていた。

神山 「だって…ッ」

重岡 「…。やから知ってほしくなかったのに」

神山 「ごめんなさい…」

重岡 「…泣かんとってや…。我慢しとってんから…。神ちゃん泣いとるん見たら…ヤバイから」

  そう言われても、涙は止まらなくて先輩も少しずつ泣きそうになって、異様な雰囲気。

重岡 「神ちゃん、笑ってや。安心させてよ…。神ちゃんより不安やねんで、俺!」

神山 「先輩…ッ」

重岡 「何で泣くんよ…。俺まだ泣いてへんで…?笑って…。なぁ神ちゃん…」

  先輩の無理矢理明るくしてる声が余計辛くて、笑うことなんか出来なかった。

  作り笑いする気にもなれなかった。

神山 「先輩…。ずっと…一緒ですよね…」

重岡 「…ッ。一緒に決まっとるやろ…」

神山 「…うぅ…」

重岡 「一緒やから!笑ってや。」

  先輩がいなくなる訳じゃないのに。いなくなったわけでもないのに。

  ただ、『大切にしろ』って。それだけなのに何故か涙を止められなかった。

  いつの間に先輩の事をここまで必要としていたのか…。

  去年は存在すら知らなかったのに。

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369 - 全然大丈夫です♪続編楽しみにしています♪ (2018年2月3日 18時) (レス) id: 8ecda79c7d (このIDを非表示/違反報告)
このらん(プロフ) - 369さん» こちらのアカウントから失礼します。夕梨菜です。このアカウントで続編書こうと思うので、ご迷惑お掛けしますがこちらまで来ていただけると嬉しいです。アカウント変えてしまい申し訳ないです。 (2017年9月1日 18時) (レス) id: e13534624c (このIDを非表示/違反報告)
夕梨菜(プロフ) - 応援ありがとうございました。また検討しておきます。 (2017年8月21日 7時) (レス) id: 360dd1197c (このIDを非表示/違反報告)
369 - happy endでよかったです♪神ちゃんもしげも元気な姿で嬉しかったです♪もしよかったらその後もみたいです。ありがとうございました♪ (2017年8月21日 3時) (レス) id: 3b484ec782 (このIDを非表示/違反報告)
夕梨菜(プロフ) - コメントありがとうございます。なるべく二人が幸せな方には持っていきたいとは思ってます…。 (2017年8月17日 6時) (レス) id: 360dd1197c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yuri | 作成日時:2017年8月7日 20時

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