WEST×WEST 短編集

11,青×緑 ページ29

緑side

　 今は流星と東京に初めて来とる。東京自体はあるねんけど流星と二人は初めて。

　 流星、めっちゃはしゃいでんねん(笑)俺が彼氏に行こっかなって思うもん(笑)

神山 「りゅーせー?そっち行ったら迷子なるから、こっちおいで?」

藤井 「それ俺が言わんとアカンのに…」

　 知らん知らん、抜けとるお前が悪いわ。

　 とか思って、歩いとったら…

神山 「あれ…ここ、どこ…?」

　 知らん裏道みたいなんに入ってた。どうしよ…こんなとこ流星気付かんよな…。

　 心配しとんかな…あ、まだはしゃいどるかな。


　 そんなん考えてる暇ないやん。どうしよ…。

男1 「あれ、君一人?」

　 ヤバイ。これ絶対アカンやつや…。

　 無視して逃げようとしたけど、腕捕まれて。俺の力では振りほどけるわけもなく。

男2 「お前男、だよな?可愛い顔してんじゃん。ちょっと付き合ってくんない？」

神山 「や、あの…かれ…じゃなくて彼女いるんで」

　 ここで『彼氏』とか言うたらもっと面倒臭くなるやつやから。これやから東京嫌いやねん。

男1 「良いじゃん、少しだけだよ。何か言われたら男の特権でやり返したれ」

神山 「…そんなの出来るわけ…」

男2 「グチグチうっせぇな!早くついてこい!」

神山 「あ、ちょ…っ」

　 どうしよ、流星…! 何かの縁で迷い混んできて、お願い…!


　 でもそんなに都合よく、ドラマのように来るわけもなくて、俺はコイツらの家…?みたいなとこに

　 連れてこられた。ここはドラマっぽいねんな。

　 携帯取られたとき困らんように一応待ち受けを流星の女装に変えておく。

　 あ、待ってめっちゃ可愛いやん(笑)


男1 「…君さ、誘拐って知ってる？」

神山 「…?知ってるけど」

男1 「今どういう状況なのか分かってる？」

神山 「分かってるよ？…大丈夫だよ、俺警察に言ったりしないもん。安心して？

　 皆のことは誰にも言わないから」

　 口調を偽装しとる。つまり内容だって偽装してる。関西人やって知らん彼らは信じる(笑)

　 コイツらめっちゃ弱ない？

男2 「じゃあ、どんだけ可愛がっても良いんだな？」

神山 「あぁ…それは無理かな、だって俺彼女一途なんだもん。初対面に身体あげれないよ。」

男2 「だよなぁ。ホント可愛いなぁ…」

神山 「ありがと、俺の彼女も可愛いけど、取らないでね？」

　 こんな感じで仲良くしとけば結構すぐに逃げ出せんちゃう？(笑)

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