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第27話:つややかな黒い長髪のbyみんしぃ ページ30

「…来た」
「今回も一人のようですね」
メアリーとダレンは屋敷から出た。

***

彼女は一人、冥界の森の中を歩いていた。
「うーん…なかなか思いつかないなぁ」
森をテーマに、服を作ろうとしている彼女はアイディアを求めてここにやってきたのだった。
「…水の音…川…!」
まっすぐ歩いていくと確かにそこには川があった。
川の対岸に一輪の黄色い花が咲いていることに気付いた。
川に点々とある岩の上を渡ってむこう側に行き、その花を眺めた。
一人の女性と男性が木の陰から彼女を見ていることも気づかずに。

「――――アクアリスタ」

木々の間から見える空の雲行きが怪しくなっていた。
「っ雨…?」
地面には黒い斑点がいくつもできていた。
「帰らなきゃ」
飛び石を渡っていると足を滑らしてしまった。
強い雨によって激流となった川に彼女は流されるうちに飲み込まれてしまった。
助かろうと必死なるが、彼女はおぼれ、意識を失ってしまった。
彼女の羽織っていたストールがひらひらと雨に打たれながら舞っていた。

***

メアリーとダレンは川岸に立って、流れ着いた彼女の亡骸を見ていた。
「生地はあまり良くないみたいだけど、なかなか良いドレスね」
中世貴族思考のメアリーはロングスカートというものを知らなかった。
川の水に濡れた赤毛のショートヘア、白いTシャツの上にベージュのカーディガン、そして紺のロングスカート。
顔立ちもそこそこ良かった。

「殺したのが勿体ないくらいですね」
「あら、貴方のタイプだったのかしら?」
メアリーが魔術で彼女を人形にしながらダレンをからかった。

「どうでしょう…」
ダレンは不敵に笑うと顎に指を掛けて自分の目線と合うように顔を持ち上げた。

「メアリーお嬢様はそのようなことも考えていらしゃるのですね」
メアリーはダレンの行動に恐怖をすこしばかり覚えたが、すぐにいつもの調子に戻った。
「悪い冗談はやめなさい」
そう言ってダレンから顔を逸らした。

彼女の魂霊からできた人形はサラとルミ同様、ニホンの人形だった。
長い黒い髪。毛先は綺麗に切りそろえられていた。紅色の小袖に桃色の羽織、帯は深緑だった。

第28話:再開byみんしぃ→←第26話:ダレンの新たな面byみんしぃ


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設定タグ:人形 , ホラーギャグ , 傭兵・ロロ   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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傭兵・ロロ(プロフ) - みぃちゃん更新サンキュー!! (2017年5月6日 0時) (レス) id: c18c9e7ec5 (このIDを非表示/違反報告)
嶺穏おとね レオン(プロフ) - みんしぃ@英実、パンダさん» よろしくお願いしますw(・^・)ゝ (2015年7月21日 10時) (レス) id: 98639aa88e (このIDを非表示/違反報告)
みんしぃ@英実、パンダ(プロフ) - 嶺穏おとね レオンさん» ありがとうございます!更新はできる時にどばっとやりますw (2015年7月21日 8時) (レス) id: ca32ae5e75 (このIDを非表示/違反報告)
嶺穏おとね レオン(プロフ) - 面白いし、ホラー(&ギャグ?)が好きなので、一話一話が楽しいです。更新頑張ってください! (2015年7月20日 9時) (レス) id: 98639aa88e (このIDを非表示/違反報告)
傭兵・ロロ(旧:でっと)(プロフ) - お夕さん» ありがとうございます!小説かくのはにがてだけど、イラストは・・・! (2014年8月16日 21時) (レス) id: 1f7eb9ed1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みんしぃ&傭兵・ロロ | 作者ホームページ:http.//  
作成日時:2013年9月13日 22時

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