What color do you like? (ページ3)

今日:24 hit、昨日:3 hit、合計:82,109 hit

　・ページ3

～～～

『急に連絡先は、あれですけど
まずちょっとしたお友達から、とか…？』

恐る恐るそう言うと、彼は拍子抜けしたように私の顔を見つめて。瞬間、表情がぱっと明るくなる。

「森本慎太郎、って言います」

『…森本くん』

「慎太郎でいいですよ」

もしかしなくても年上ですよね、って。確信を持って言えるほど老けて見えるのかな、と勝手に心配になっていると、また慌て出した彼。

ごめんなさい変な意味は無くて、ほら、スーツじゃないですか！なんて、気を遣わせてしまって。あまりにも勢いがいいから、つい笑ってしまった。

『…じゃあ、慎太郎くん？』

問いかけてみると、はい！と良いお返事。

私も同じく自己紹介をすると、慎太郎くんは早速、Aさん、なんて、恥ずかしげも無くさらっと下の名前で呼んでくれるものだから。

なんというか、陽のオーラで溶けてしまいそう。

「…A、さん」

『はい』

「俺たち、お友達ですか？」

『…まあ、そういうことになるかな、？』

「ありがとうございます」

もっと仲良くなれるように頑張ります、って、屈託のないきらきらとした笑顔を見せてくれて。コンビニから出て歩く間も、家に着いてからも、ずっと。彼、慎太郎くんのことが頭から離れなかった。

これまで、年下に興味なんて無かったはずなのに、突然現れた男の子に思考を占拠されてしまうなんて。

「……ついでに連絡先も聞けばよかったかな」

なんて、やっぱり私って、現金なやつ。

～～～