What color do you like? (ページ1)

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（青）やきもちページ1

〇アイドルと一般人

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俺の彼女は、SixTONESのファンで。

それこそ正真正銘、好き合っている恋人なんだから、いわゆる担当というのは俺になる、かと思いきや。

『北斗くん、かっこいい…』

彼女がいつも目で追うのは、俺ではなく、北斗。

「…なぁ、俺は？」

『ん？もちろん、かっこいいよ？』

彼女が俺のことをきちんと好いているかどうかというところに、不安は一切無い。むしろ仕事柄、こちらの方が彼女に不安な思いをさせてしまっている。

けれど彼女は、そんな素振りを見せまいと気丈に振る舞い、健気に俺を信じていてくれる。だからこそ、今日の北斗くんもかっこいい、と幸せそうに笑う彼女の横顔を、微笑ましく眺めることさえ出来た。

( ……早く終わんねえかな )

ただ今日は、詰め込まれていた仕事がひと段落して、ようやくふたりきりでゆっくり出来る、と思っていたから。今日ばっかりは、北斗への感想ばかり述べる彼女の楽しげな声が、どうにも、面白くない。

『！北斗くん…！！』

今もまた、投げキッスなんてして見せた北斗を見て、頬を赤らめたりなんかしちゃって。

俺が映ってる時と全然リアクション違うじゃん。

「…A」

『…ん、なあに？』

「…俺のことも見てよ」

うっかり口をついて出てしまったそんな言葉に、勢いよく俺の方を向いて、驚いた顔をする彼女。

『…どうしたの、』

「…さっきから北斗ばっか見てるから？」

『…いつものことじゃない』

「うん、まあ、良いんだけど
…隣で映ってるんだから、俺のことも見てよ」

『……ちゃんと見てるよ、…見てる、けど』

「……なに？」

『……テレビの中の樹くんは
私のこと見てくれないから、寂しくなるの』

みんなの樹くんだってちゃんとわかってるんだけど、その場にいるファンの子たちに向ける目が、あんまりにも素敵だから、素直に見れなくて、って。

……なにそれ、ずっとやきもち焼いてたってこと？

「…お前、ほんとかわいいな」

『は、』

「それなら尚更、映像なんて見てないで
いま隣に座ってる俺だけ見てればいいじゃん」

『…』

「ほらこっち向いて、…A？」

投げキッスなんかより良いことしてやるよ、なんて言ってみれば、顔どころか耳まで赤くする彼女。

『……ずるい』

ガキみたいに、俺の勝ち、なんて頭の端で思いながら、彼女の頬に手を添え、そっと、キスをした。

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