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〜〜〜
「お前にじゃねえよ」
『私にじゃなくてもやだ』
舌打ちを封じられた樹はため息をついて
髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。
…私が誰かと付き合ったら、嫌だと思う？
踏み込みすぎてまた気まずくなったり
今まで通りじゃなくなるのはしんどいから
そんな、自意識過剰なことは聞けないけど。
期待させてくるような樹の反応が
ちょっと嬉しかったのは、ここだけの話。
『ていうかそんな勘違いある？』
「…きょもが紛らわしい書き方したんだよ」
『だって、ありえないよ』
「まあそうだよな」
『そうだよ』
樹の雰囲気は打って変わって和らいだけど
それを隠そうとしているのか
眉間のしわは、多分ちょっと濃くなった。
樹の方こそ最近はどうなの、と
今なら流れで聞こうと思えば聞けたけど
何となくそんな気にはなれなかった。
彼女が出来たとか良い感じの人がいるとか
好きな人がいるとか言われたら、嫌だから。
「Aに彼氏出来たら、雪とか降るだろ」
『失礼すぎる』
「槍とか鉛が降る」
『もう大事件じゃん』
「だからそう言ってんだろ」
『ほんと失礼！』
私たちの中で、あの日のキスは
完全に触れてはいけないものになっていて
無かったことになっているからこそ
今こうして普通に話していられるんだけど
自分の本心に気づいてしまってから
あまりにも“今まで通り”すぎるのが
むしろ、少しだけ、苦しかったりもする。
「…てか、普通に、俺のこと誘えよ」
それを聞き返して茶化せるほどには
私も無神経にはなりきれなくて
かといって、素直にわかったと頷くのも
照れくさくて出来なかったから。
『…樹の奢りってこと？』
やっぱり、可愛げのない台詞で
いつもの“幼馴染”の接し方になってしまう。
こんな調子じゃ幼馴染の枠から
もう一生抜け出せないんだろうな、とか
そもそも私ってその枠から
抜け出したいとか思ってたんだ、とか
樹が黙った間に、いろいろ考えていたら。
「それでもいいよ」
〜〜〜
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春野菜(プロフ) - めらとにんさん» コメントありがとうございます〜楽しんでいただけているようで何よりです🥰 (12月11日 14時) (
レス) id: c5e9acbdc8 (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - 田中担にとっては最高すぎます … 😵💫 (12月10日 16時) (レス) @page26 id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
春野菜(プロフ) - さぎりさん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜！！引き続きよろしくお願いいたします✨ (11月13日 0時) (レス) id: c5e9acbdc8 (このIDを非表示/違反報告)
さぎり(プロフ) - お話大好きです😭🫶🏻続きこれからも楽しみにしてます！⭐️ (11月12日 14時) (レス) @page10 id: 1e7facddf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春野菜
| 作成日時：2023年11月6日 6時
