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〜〜〜
「あれ、A寝てんの？」
「寝てはないみたい」
「クッキー食う？」
「え、いいの？ 食べたい！」
「京本父特製クッキーです」
「ん、さすがのお味ですね、おいしい」
「新商品の味に迷ってるらしくて」
「そうなんだ、これすごくおいしいよ」
机に伏せる私の頭の上で行われる
楽しそうなやり取りを聞いて
それにつられるように顔を上げてみる。
「Aも食う？」
くるみは口をもごもごしながら笑っていて
京本くんは何でもない様子でクッキーをくれる
何も深く聞いてこないそんな２人の
いつも通りの様子が、ありがたかった。
『…食べる』
「食べるんだ」
「じゃあ、はい、あーん」
『…ん！ うま！』
「なんだ、元気そうじゃん」
『クッキーのおかげだよ』
優しい甘さが、混乱中の私の頭を
ふんわりと慰めてくれるようだった。
今日は、私がわざといつもより
何本も早い電車に乗って学校に来た。
同じクラスだから逃げ場はないけど
徹底的に避けていたら、樹も諦めたのか
話しかけてくることはなかった。
「今日どっか寄ってく？」
『…うん』
「元気ないねえ、どうしたの」
『…う、う〜、ごめん、言えない』
「いいよ」
くるみは何となく察していそうだけど
無理に聞き出そうとすることはせず
帰りたくないなら、と放課後までずっと
私に付き合って一緒に居てくれた。
「新作飲みに行こうよ」
『あ、いちごのやつ！ 行く！』
そうして楽しく過ごしている間は
樹のことも考えずに済んだけど
ふとした時に昨日のことを思い出しては
思わず頭を抱えたくなってしまう。
樹に彼女が出来たと聞いた時とも
樹とうまく話せなかった時とも違う
言い表せないモヤモヤが、胸に巣食っていて。
いつまでも逃げ続ける訳にもいかないけど
今はもう、何も考えたくない気分だった。
「Aさ、田中くんと何かあった？」
『…』
「２人ともわかりやすいんだもん」
『…そんなに？』
「うん、まあ、具体的には聞かないけどさ」
『…うん』
「何にせよ私はAの味方だからね」
『…くるみ、大好き』
〜〜〜
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春野菜(プロフ) - めらとにんさん» コメントありがとうございます〜楽しんでいただけているようで何よりです🥰 (12月11日 14時) (
レス) id: c5e9acbdc8 (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - 田中担にとっては最高すぎます … 😵💫 (12月10日 16時) (レス) @page26 id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
春野菜(プロフ) - さぎりさん» コメントありがとうございます！嬉しいです〜！！引き続きよろしくお願いいたします✨ (11月13日 0時) (レス) id: c5e9acbdc8 (このIDを非表示/違反報告)
さぎり(プロフ) - お話大好きです😭🫶🏻続きこれからも楽しみにしてます！⭐️ (11月12日 14時) (レス) @page10 id: 1e7facddf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春野菜
| 作成日時：2023年11月6日 6時
