8 ページ8
〜〜〜
「陽菜ちゃんとAちゃん、部活決まってんの?」
そこへ突然後ろから声が降ってきて。恐る恐る振り返るとそこにいたのはやっぱり、田中くん。
そのうち慣れるとは言ったもののやっぱり様子を伺ってしまう私を尻目に、陽菜ちゃんは普通に会話を始めていて。知り合いだったの?と聞くと、いやさっきが初めまして、と言っていた。やっぱりすごい。
「決まってないけど…どうして?」
「バスケ部のマネージャーってのはどう?」
「へぇ、マネージャーとかあるんだ」
「可愛い子がなってくれたら嬉しいなあって」
軽い。というかなんというか、チャラい。
さっきはもう少し頑張って会話してみようかな、なんて思っていたけれど、やっぱり出来る気がしない。
「楽しそうだけど、Aは帰宅部だよね?」
『…うん』
避けているのを勘づかれないように気をつけながら、陽菜ちゃんの言葉に頷くと、田中くんはぱっと表情を変えて私の方を見た。…なんか、嫌な予感。
「なに?なんかやってんの?」
田中くんは、どうしてか私が帰宅部にする理由に興味津々。あまり自分から自分の情報を話すのが得意じゃない、というか、嫌で。口ごもる私に見かねた陽菜ちゃんが私の代わりに色々と話をしていてくれるけど。
「Aはピアノ一筋だもんね」
「へぇ!ピアノ!めっちゃぽい!」
「でしょ?しかもすっごく上手いの!」
…私がいるのに私の話で盛り上がられると、どうにも居心地が悪いというか、なんというか。
〜〜〜
1132人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春野菜 | 作成日時:2020年7月23日 20時