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信号を待って横断歩道を渡っていると集団の中心が動き始めたのかそれに倣って人だかりも動き始めた。
「え、こっちくるやばい。」
「まだ、その涼太くん居るかわかんないでしょ。」
「でも心なしかいい匂いする。」
「いつからそんなに嗅覚が犬になったのよ。」
涼太くんセンサーでもついてるんか。
案の定、人だかりの中心には派手な色のつなぎを着た男性が数名いて、その中に”涼太くん”は居たらしい。
恐るべし妹のセンサー。
「え、ユリグミとイワフカじゃん。まじ尊い。」
「新用語。あんたの方が出家してるじゃん。」
「ヲタクはみんなこんなもん。」
「はぁ、難しい世界だわ。」
納得はしたけどまだまだ理解すべきことが多いらしい。
“ゆり組”は幼馴染２人の名称で、”いわふか”は岩本さんと深澤さんの苗字２文字を取ったコンビの呼び方らしい。他にもいろいろあると言われたが忘れた。ちなみにゆり組は”エモいジャスティス”なのだとか。
わ、分からん…。
そもそも最近のアイドルはかっこいい衣装すらもらえないのだろうか。世知辛い世の中になった物だな。
近づくに連れて妹の口数が増え、ついにあと２mまでの距離になった時黄色いつなぎの人がこちらをみた。
「ひーくんこっち見た！！」
「ちょ、声大きいって。」
「ごめん。え、でもまじで見た。まじで見たんだけど。」
「わかったわかった。」
妹は相当彼らのことが好きらしい。その様子に微笑ましくて笑っている途中もずっと視線を感じる。
既視感。
その視線の先を見ると先ほども目があった彼がまだこちらを見ていた。
何やら驚いた様子だった。
何かあったのだろうか。
「あー、ひーちゃんだかわいい」
「さっきひーくんって言ってなかった？」
「幼女だから。」
「ゴリゴリの成人男性ですが。」
そのままその人だかりは通り過ぎていった。
しばらく後ろ姿を見ていると頭ひとつ分飛び出した彼が急に後ろを向いてこちらに会釈したのだ。
「え、オス本照がこっちに頭下げた？」
「固有名詞コロコロ変わってお姉ちゃんもう誰のこと言ってるのかわかんない。」
「黄色の人。ねえ、こっちにペコってしてたよね？」
「気のせいじゃない？」
「ヲタクって勘違いしたもん勝ちだから。」
そりゃなんとも楽しい人生だな。
その後は集団について行くことはせず(かなり通行の邪魔になっていたので)、ゆっくりウィンドウショッピングをしてから別れた。
しっかり次会う予定を決めて。
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でででちゃん(プロフ) - KiiiiLAさん» ありがとうございます！完成までお楽しみください。 (2022年4月2日 10時) (
レス) id: 66ca21e792 (このIDを非表示/違反報告)
KiiiiLA(プロフ) - ひかるくんが犬！ 想像しただけで可愛いです！ 物語楽しみにしています^_^ (2022年3月30日 22時) (レス) @page30 id: f5fdf1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でででちゃん | 作成日時：2022年3月19日 23時
