魅せられ、探す【あんスタ】 (ページ2)

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１話ページ2

訪れた、仮面舞踏会。私は派手な物は好きではないので、胸元と背中にリボンが２つ付いているだけの、シンプルなドレスを選んだ。仮面だって、何の変哲もない。

「やあ、久しぶりだね。」

A「あ、龍くん…？」

「うん。今親父はお客様への挨拶周りに行ってて話せないらしくて。僕が代わりに相手するように言われたんだ。」

A「そうなんだ。」

「ところでさ、ちょっと外に出ない？Aちゃんは舞踏会とか苦手だったよね？ゴメンネ、親父が誘って。」

A「いえ、大丈夫です。私もそろそろ慣れないと……。あ、でも、夜風を浴びたいですね。」

「なら、バルコニーにでも行こうか。」

A「はい。」

龍くんの家のバルコニーは、会場とは少し離れた所にある。

「んん〜、夜風はいいねぇ。」

「そうですね。」

「……そういえば、最近マフィアがあちこちで出てるって噂があるから、気をつけてね。もしかしたら、今日の舞踏会にもいるかもしれないね。」

A「そ、それは怖いですね。」

「まあ何かあったら、僕が守ってあげるからさ。」

A「あ、ありがとうございます……。」

2人きりのバルコニー。私と龍くんの間には、夜風と、オレンジ。

……………オレンジ？？

「なあなあ、お前ら付き合ってるのか！？」

静かな場に突如現れた。