AM 11：26〜 side福神 ページ3
目の前で少年のように笑う彼とも、もう４年が経つ
当時、既に普及していたデジタル作品の応募が大半を占める中で彼は今と変わらずアナログのみで勝負していた
積み上げられた努力故の圧倒的な画力、豊かな想像力から作られる飽きのこないストーリー
他との比較、それすらもおこがましいと感じるその作品は、誰が見ても最優秀賞を与えるにふさわしかった
本人の希望でアシスタントを２年間続け、その間に描き溜めていたネームを連載会議に回した(担当の僕ですら描いていたことを知らなかったが…)
数ヶ月前まで続いた連載作品は、最後は彼の希望で最終話を迎えた
そして新連載、今目の前にある神の束は既に4話を迎え、尚も人気を誇っている
＿＿人生36年間を無駄に生きてきました＿＿
この一文で始まり、成人男性の転生を描いた作品は
一見矛盾しているようだがしておらず、むしろ読者を引き込んで捉えてしまう
内容の濃さから深読みする読者も多発しているが、しても仕切れないその行為は結局次回への期待を高めることになる
かつての少年誌ではまず無かった作品、いやこれからも無い作品であろう
そんなものを描く怪物は漫画の中の主人公よりも年下で、どうやってこんなストーリを考えているのか想像もできないが…
今や彼の影響力はとてつもない
海外でも彼の作品は流通しているし、コミックは英語やフランス語など多くの国の言語に翻訳されその評価も高いと聞く
ＳＮＳを始めたならばフォロワーは全世界に及び、彼の一挙手一投足が拡散され、国内外に少なからず影響を与えることだろう(やっとスマホを手にした彼が始めるわけも無いが……)
人々を救った宗教の創始者、一国の命運を大きく変えた国主それほどの影響力を持つ彼は何を考え何を思い漫画を描くのか
それは本人にしか分からないことなのだろう
とりあえずうちの会社が潰されない事だけを祈ろう
「そろそろお昼ですね、食べて行きますか？」
『じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな…』
今日の昼食は何か想像する
夏場だから素麺だろうか、そばやうどんでもいいなぁ…
遠くから聞こえるタイマーの音を聞く限りどれかで間違いないだろう
『さてと、万理子さんを手伝ってこようかな…』
「じゃあ自分はばぁちゃん連れて行きますね」
襖を開けるのと同時に、卓上のデジタル時計が午前と午後の境を知らせた
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とう(プロフ) - サマーウォーズの男主作品、少ない方なのでとても嬉しいです！お話も面白く、評価とお気に入り登録させていただきました。更新頑張ってください、応援しています！ (2018年8月26日 22時) (
レス) id: 5992e0dece (このIDを非表示/違反報告)
高杉哉兎(プロフ) - 面白そうですね！これからも見ます！ (2017年10月15日 11時) (レス) id: 99d8ddd66b (このIDを非表示/違反報告)
糖分(プロフ) - 福神さんは男性です (2017年8月20日 21時) (レス) id: 93276026f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リベルタ | 作成日時：2017年8月19日 0時
