恋愛小説のヒロインに悪女みたいな所があったら２ (ページ30)

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７４話ページ30

菜々花said

「桜哉先輩、やっぱり好きです！付き合って下さい！」

部活が終わって静まり返った室内で、甘酸っぱい青春イベントが行われている。

──のを、陰から見ている私。

愛ちゃんの告白の結果はわかりきっているけど、きちんと見届けるに越した事は無い。

まあ、自分の好きな人が告白されているのを見るのはあまり良い気分じゃないけど。

「･･････ごめん、坂本とは付き合えない。」

「えー、何でですか？」

「何でって･･････。」

「私、桜哉先輩のためなら何でもします！駄目な所があるなら直します！」

「そういう問題じゃ･･････。」

「じゃあ何が問題なんですか？何でも直しますから、教えて下さい！」

「あのさ、坂本。」

「はい！何ですか？どこが駄目ですか？」

「恋愛に積極的なのは良いけど、相手の事も考えた方がいいと思うよ。」

「え？」

「坂本が俺を好きになるのは勝手だしどうでもいいんだけどさ。」

「坂本のアピールは、限度を超えてると思う。正直迷惑なんだよ。」

「え、そ、そんな、ひどいです･･････。」

「あららー･･････。」

予想外にはっきりとした桜哉君の言葉に、思わずそう呟く。

ちょっと言いすぎな気もするけど、これくらい言わないと愛ちゃん諦めなそうだもんね。

もうここにいる必要もなさそうだし、忍び足でお暇することにしよう。