６８話 ページ24
菜々花said
「じゃあ、今年の夏はミュージカルって事でいいのね？」
「はい！」
赤澤先生の確認に、元気よく返事をする部長。自分の希望が通って満足そうだ。
「終わった･･････。」
そんな部長とは正反対に、隣で頭を抱える桜哉君。
ミュージカル反対派の桜哉君だけど、部長のあの猛プッシュには逆らえなかったみたい。
６月も終わりが近いこの日の部活で、今年の夏はミュージカルを演る事に決まった。
私たちはもちろん、３年生の先輩もミュージカルを演るのは初めてらしい。
歌にダンスに、練習する事が増えて大変そうだけどとっても楽しそうだ。
「菜々花。」
「はい？」
「ミュージカルって言っても色々あるから、図書室からミュージカル台本取ってきて。」
ああ、あの絶対演劇部しか読まないから図書室よりうちの部室に置けば？っていうあれか。
「わかりました〜。」
「菜々花先輩！僕も手伝うっすー！」
教室から出ていこうとすると、晴人君がそう言いながら駆け寄ってきた。
「えー、ありがとう！こんなに良い後輩を持って、私は幸せだ！」
「･･････俺も行く。」
「え、桜哉君も来てくれるの？何で？」
「いいだろ別に。ここにいてもつまんないし。」
「そっか。桜哉君もありがと！」
「───あれ、これ鍵かかってる！」
図書室に着きドアに手をかけたはいいものの、鍵がかかっていて開かなかった。
「放課後に図書室使う人なんてあんまりいないもんな。」
「確かにそうだね･･････。」
「気合で開けられるんじゃないっすか？」
「馬鹿な事言わないの！職員室から鍵借りてくるからちょっと待ってて。」
「はーい。」
「了解っす！」
──あれ、職員室ってどっちだっけ？
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作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
