６６話 ページ22
日向said
「如月！マッッジでごめん!!!!」
如月君の待つベンチに戻り、全力で謝罪をする広岡君。昔から潔だけはいいのよね。
「別にいーけど･･････。お前何を勘違いしてたんだ？」
「いや、だから如月が村本と浮気してるのかと思ったんだよ。」
「浮気？俺、そもそも彼女とかいないんだけど。」
「え、菜々花は？」
「た、楯野とはそんなんじゃない！」
「お前らまだ付き合ってなかったのか!?」
「まだって何だよ。」
「えー！てっきりもう付き合ってるのかと思ってたわ！」
「だ、誰があんな脳内お花畑の奴と･･････。」
それは広岡君に同感だ。両想いに気づいてないの、たぶん当人達だけ。
それにしても、如月君がツンデレ化というか広岡君化してる気がしてならない。
広岡君も小学校時代、菜々花との事をからかわれると
“な、菜々花とはそんなんじゃねーよ！”
“あんなふわっふわした奴の事好きなわけねーし！”
──って顔を真っ赤にして言っていた。
「･･････なあ、如月。」
「ん？」
「そーやっていつまでも素直じゃねーと、ポッと出てきた奴に取られるぞ。」
「え･･････。」
あ、これは男の友情的なやつが始まるパターンじゃない？
･･････私は黙っていた方が良さそう。
「照れくさいのわかるけど、ぜってー後から後悔すっから。」
「･･････広岡も、楯野の事好きなんじゃないの？」
「え？」
「さっきから俺を応援するような事ばっか言ってさ。もう好きじゃないの？」
「･･････。」
「･･････広岡？」
「フラれたんだ。」
「え･･････。」
「1年の夏に、告ってフラれた。」
「･･････。」
「好きな奴がいるんだってさ。」
「ふーん･･････は？え、好きな奴？」
「俺も誰かは知らねーけど、菜々花の性格からして仲いい奴だと思うぜ？」
「え、それって･･････。」
「じゃ、俺帰るわ！頑張れよ！」
「ちょ、待て･･････あ、おい！」
如月君の声を振り切り、うさぎ跳びで去っていく広岡君。
「じゃ、私もそろそろ帰るわね。」
「あ、はい。」
「･･････そうだ。如月君。」
「ん？」
「私は、別に菜々花に明るい男の人が似合うとは思ってないわ。」
「･･････うん。」
公園を出て少し歩いたら、
「ふー･･････。」
息をついて一安心。
まったく、部活より疲れたかも･･････。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
