５７話(５６話の続き) ページ13
「････････････は？」
「あの、仮入部の時廊下で呼び込みしてましたよね？その時に、一目惚れしました！」
「あ、でも、桜哉先輩目当てで演劇部に入ったんじゃないですよ!?」
「お芝居をやりたいのは本当です！先輩への気持ちも本物です！」
「･･････。」
何だか、とても面倒くさい状況になった。
というか、そもそもさっきから一人で喋り続けているコイツは誰なんだ。
向こうは知り合いのつもりらしいが、全く見当もつかない。
「･･････。」
言いたい事は言い終えたようで、じっとこちらを見つめてくる某。
どうやら、俺に何かしらの返答を求めているらしい。
「えっとー･･････、申し訳ないけど、俺、君の事よく知らないし･･････。」
「あ！そうですよね！いきなり過ぎましたよね私！すみませんでした！」
全くもってその通りだ。
「もっともーっと仲良くなったら、もう1回告白しますから！」
「え、いや･･････。」
「それじゃ、失礼しましたー！」
「･･････。」
結局誰だかわからないまま、某はあっという間に去ってしまった。
「桜哉くーん、ただいま〜。」
「おー。」
少しして、楯野が戻ってきた。
「なあ、まだ誰も来てないんだけど。」
某の件は、とりあえず言わないでおくことにした。
「あ、それね、なんか今日部活無いみたいなんだよね。」
「え、マジ？」
「うん、予定表の日付見間違えてた。」
「おいおい･･････。」
「すいませんでしたー!!」
「仕方ない、帰るぞ。それにしてもお前、勉強は出来るのにそーいう所アホだよな。」
「ううぅぅ･･････。」
まあ、楯野だからいいけど。
──なんて、言えたら苦労しない。
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作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
