借金返済のためにブラック本丸を引き継ぐことにした。２【刀剣乱舞】 (ページ8)

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３５．隠されていたのはページ8

私が通ったことのある廊下に限らず、この本丸は全体的に老朽化が進んでいるのかどこを歩いても腐った木材がギシギシと音を鳴らしていた。

虫も鳥も鳴き声が聞こえない静寂の中に響くそれはやけに不気味で、太陽は随分と上がっているはずなのに空は雲で覆われていて私たちに姿を見せない。

他にも刀剣男士はいるはずなのだが道中でもすれ違うことはなく、時折開かれている部屋の中を覗いてみても存在するのは巣作りに励む蜘蛛ばかり。

薬研くんも特に何かを話しかけてくることもなく厨までの道を進んでいたのだが、途中でふと足を止めて視線を別の方向へと向けていた。

彼の目線を辿った先に広がっている光景は、他の部屋と違い小綺麗で畳や障子に穴は見当たらない一般的な和室である。

しかし、その部屋を普通の部屋とためしめないのは、そこに鎮座する代物が物語っていた。

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