借金返済のためにブラック本丸を引き継ぐことにした。２【刀剣乱舞】 (ページ4)

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３１．僅かな想いは消えていたページ4

5年近く続いているというこの本丸の刀帳は、何百振りもの刀剣男士の名が記されている。

鍛刀したもの、戦場でドロップしたもの、刀解したもの、破壊されたものなど内容は多種多様で、今も残っている男士を探し出すのは非常に難しい。

もっと分かりやすく管理してくれているこんのすけはいないし、詳細を調べるのであれば審神者の勤務室に行く必要があるのだと。

大半が初めて見る刀の名前ばかりで目が滑ってしまうなか、最後まで読み続けて一番印象に残っていたのは一項目に記載されていた二振りの男士の名である。

【初期刀：■■■■■ (刀剣破壊)】
【初鍛刀：■■藤四郎 (刀剣破壊)】

「ここだけ黒塗りされている……藤四郎ってことは、この初鍛刀は薬研くん？」

「そうとは限らねぇな。なんせ俺っちの兄弟は何十振りもいるから、該当する刀は沢山いるぜ」

「初期刀は文字数からして三振りほどに絞れるだろうが……まあ、気にしたところで二振りとも折られているみたいだしね」

知っている刀の名前が目に入ったのか、燭台切さんと薬研くんは刀帳を覗き込むと複雑そうな表情を浮かべた。

刀解はまだ本霊に魂が戻るだけらしいので刀剣男士的にはそこまで気にする要素はないみたいだが、刀剣破壊となるとまた別の話で、人間の死と同等であるため同じ個体が復活するのは無理なのだと。