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「俺も、好きな人が居るんだ。」
「そうなんですね」
「うん…しかも強力なライバル付き。笑」
そう言った藤ヶ谷さんの顔は苦々しくて
嗚呼、本当の話何だなって感じた。
藤ヶ谷さんを悩ませる程の人。
いったい、どんなに美人で
どんなに謙虚な人なんだろう？
(北山さんにも、きっと…)
「その子に、ようやく近付けたのに。その子の周りにはライバルだらけでさ。実は俺、焦ってんだよな」
「私もです…私の好きな人も、人気者でカッコよくて…」
思わずスカートを握りしめた手に
藤ヶ谷さんの手が触れる。
(えっ…//)
軽く握られた手は、二人の胸の間へ導かれ
その手を両手で強く握り締めた藤ヶ谷さんは
儚げな表情で、こう言った。
「それって、北山のこと…？」
大好きな先輩の名前に、勝手に頬が紅潮する。
詰まる言葉と赤い顔はもう
肯定してる様なもので
とてもじゃないけれど、藤ヶ谷さんの目を見ていられなくなって俯いた。
(藤ヶ谷さんに、バレてたなんて…//)
藤ヶ谷さんからの視線を感じるも
なかなか顔があげられない。
「俺達、似た者同士だね。」
「…私は、望み0%です！」
「そんなことない。Aちゃんは、凄い魅力的なのに、諦めることなんてない。」
その言葉を聞いた瞬間
« ギュッ… »
いつの間にか、藤ヶ谷さんの腕の中にいて
鼓動が一気に脈を打つ。
« ドクン…ドクン… »
蕩けるような甘い香りが鼻腔を擽って
一気に我に帰り、慌てて距離を取った。
目が合った藤ヶ谷さんは
何故か微笑んでいる様に見えた。
.
続く (更新停止中)
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作者名：ジェシー | 作者ホームページ：https://twitter.com/kitamapako?s=09
作成日時：2017年9月30日 15時
