l o v e & s i c k (ページ6)

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目を見つめたまま動かない2人。

それに感化されて動けない私。

ざわざわとうるさいはずの食堂がミュートされ
私達だけどこか違う世界へ迷い込んだようだった。

「お前、よく被るね…俺と」

「北山こそ、すぐ俺の真似する。」

二人だけの、二人にしかわからない会話を
睨み合ったまま続ける二人は

やっぱり、仲が良さそうには見えない。

(北山先輩…そんな怖い顔するんだ……。藤ヶ谷さんだって、凄い冷めた顔してる…。)

すると、藤ヶ谷さんは何を思ったのか
私の隣へと腰掛け、持っていたカルボナーラを
サラッと食べ始めた。

「ん〜…うまいっ」

さっきとは打って変わって
呑気に感想を述べる藤ヶ谷さん。

よく分からない人だなぁ、と思った。

でも、それで少し和らいだ空気に
私も残り一口だったハンバーグを食べようと
フォークで刺して口へ運んだ。

はずだったのに！！！

「んー、冷たくて不味い。最悪。」

いきなり現れた、天使の皮を被った悪魔に
横からぶん取られてしまった！！

(こいつぅーーーーーっ毎回毎回取りやがって！！！)

「ごっちそぉーさまぁ〜んっ」

「あ、ちょっと！待ちなさいよ！！」

「やだねぇーん、ばいびー」

そいつは、嵐のように過ぎ去っていき
唖然とした間抜け顔の、三人だけが残った。

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