【名探偵コナン】転生作家の心得 Act.2

77.『唐突な転生作家』 ページ32

｢ダイオウイカって美味いのかな」

私の突拍子な言葉に、ポアロの店員三人は間抜けな声を出した。

｢せ、先生、どうしたんですか」

愛梨は瞬きを繰り返している。あの安室ですら眼を丸くしている。そんなに可笑しかったか。

｢特に理由はないんだが、イカが無性に食べたくなってな。……居酒屋に行くか」

これからの予定を立てながら、私はパソコンとにらめっこをしている。書いている最中なのだが、全部イカで埋め尽くしそうなくらい、イカが食べたい。

｢お酒飲めないのに居酒屋行く辺り、居酒屋本当好きですよね」

呆れたように愛梨が言う。事実なのだが。

｢……いや、酎ハイやサワー辺りなら飲める」

それでも酔ってましたよねと愛梨に釘を刺された。愛梨の成人祝いで行きつけの居酒屋に連れて行ったのだが、見事に痴態を覚えられた。

そうだよ、私は酒に弱いんだよ、悪いか。

自暴自棄に憤慨しながら、私は珈琲を飲む。

｢でも、何でダイオウイカなんですか」

そして最初の議題に戻ってきた。安室の原点回帰だ。特に理由はないんだが。

｢いや、本当に特に理由はないんだが。まぁ、何となくこの間、深海生物図鑑でも見たからかな」

少し笑いながら答えると、愛梨は謎だと答えられた。いや、見たかっただけだから。でも少し、深海生物とかロマンがあるよな。

｢なんなら、一緒に飲みに行きませんか。僕も愛梨さんも、今日は一緒の時間で上がりますし。梓さんもどうですか」

安室が提案を上げ、彼の隣でグラスを拭いている梓さんに尋ねた。

｢あーごめん！！今日は、用事が入ってて。また今度私も参加していい？」

梓さんは両手の平を前で合わせながら謝る。勿論だと愛梨は笑顔で返す。

｢……それで、私は強制参加と」

私の恨めし声に愛梨はにんまりと笑う。あ、その顔、コナンにそっくり。

｢先生には拒否権ありません。全部拒否られるので」

私の信頼度無いな。事実だけど。

_
多分暫く更新頻度が遅くなると思います。
ご迷惑をおかけしますが、何卒理解の程をお願いします。

あと、単純に今回の話は私がイカを食べたかった時に執筆しただけなので、深い意味はありません。

78.『転生作家のスポーツ事情』→←76.『上賀茂愛梨の悩み　その裏』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す