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44.『転生作家と小さい名探偵』 ページ45

「凄い顔だけど、大丈夫?海月先生」

横に立つコナンが私を心配そうに見ている。私は頷くも、未だ眉間にしわを寄せたままだった。あちらこちらにいる警備員も、彼女の不機嫌対象のようだ。

――人が、多すぎる。

普段は興味ないだろといった人間も、ぞろぞろと野次馬根性でやってきているのだ。これでは、フランス王朝の遺産なんて見れるのだろうか。

ちらりと見たパンフレットを思い出す。

――太陽王の遺品、日本初上陸!

もう少しキャッチコピーを撚れなかったのだろうか。よくある常套文句と化している。

「愛梨姉ちゃんに、無理矢理押し切られたんだってね」

コナンはショーケースに並べられた宝石を眺めながら、私に苦笑いを向けた。誰に聞いたのかを問えば、安室と返ってきた。へえ。

「だと思った。何だ、君、安室と仲直りしたのか」

私の言葉にコナンはこちらを見て目を丸くした。何故、そんな不思議な顔をしているんだ、こいつは。愛梨にも指摘されていたぞ。

「仲直りって。喧嘩したわけじゃないよ。それに、安室さんが蘭姉ちゃんと話してたのを聞いただけだし」

その言葉に、なるほど、どうやらまだ、彼の正体は分かっていないらしいと理解した。

「盗み聞きはよくないな、探偵くん」

そう誂えば、コナンは頬を膨らまして、私を軽く小突いた。おい、中身・男子高校生。

「あ、見えてきたよ。あれが……」

コナンは私の袖を引っ張る。人混みがひどいが、真ん中のショーケースははっきりと見えた。

囚人(デトニュー)……」

それは、囚人と言うにはあまりにも、華やかな宝石だった。

ちなみに、何故、コナンと行動しているのかというと、安室と愛梨とは逸れてしまったのである。

45.『不釣り合いな名を持つ至宝』→←43.『世紀の怪盗が顔を出す』



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黒井蜜柑(プロフ) - トめAと@とまと:カド松さん» ありがとうございます。 (2022年5月17日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@とまと:カド松(プロフ) - はい、マジ好きです応援します (2022年5月17日 21時) (レス) id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - トめAと@とまと:カド松さん» それは凄く嬉しいです。愛梨ちゃんがいてこそのこの作品なので是非とも応援してください。 (2022年5月17日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@とまと:カド松(プロフ) - 夢主っぽいのがいるときいて何だ地雷か?って思ったらバリタイプだだった。 (2022年5月17日 21時) (レス) @page49 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - 目覚ましさん» そう言って、いただいて幸せです! (2018年12月14日 16時) (レス) id: 16fd2908cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.  
作成日時:2018年11月10日 22時

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