【名探偵コナン】転生作家の心得 (ページ24)

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23.『上賀茂愛梨の不運　その仇』ページ24

やはり見張りがいた。一般人にしか見えないが、明らかに堅気じゃないって雰囲気が出てます。怖いんだけど。ぎりぎりと撃たれた肩が痛む。押さえつけながら、物陰へと隠れている。さっき頑張りすぎたから、流石に無理です。元々体力系に能力値振ってないの、ほぼ初期値なの、分かってくれ。

警察のサイレンが聞こえてきた。そのせいか、ドタバタと煩い。もしかして、これだと逃げられるかもしれないなと思ったときに見張りと眼がばっちり合いました。

「何見てんだ、お前」

ぞわりと寒気が背筋に走り、私は呆気なく腕を捕まれ結果的に中へと入れた。運回してセーフだったやつだな。クリティカルは出てないね、いや、ファンブルじゃなかっただけマシだよね、そうだよね。

床に叩きつけられるように転がされた。

「頭ァ、鼠がいやした」

頭と言われた相手を見上げると、よくある校長タイプな人だった。人畜無害という言葉があいそうだけれど、逆なのか、人は見かけによらないね。見渡せば、愛梨の隣にめっちゃ強そうな人が一人、あとチンピラが複数ってところか。

「先生！！」

縛られている愛梨が叫ぶ。どうやら無事みたいだ。少し服が濡れているのは、水をかけられたからと見える。

「警察を呼んだのは君みたいだね。」

頭と呼ばれる男は、穏やかな口調でそう私に告げてきた。断言である言葉に、私は息を呑む。

「さあどうだろう。それより、あのサラリーマンを殺害したのは、愛梨のそばにいる男だろ？違うかい」

私は上体を起こし、そう指を差す。愛梨が目を丸くしているが、何故わからないんだお前。

「サラリーマン事態、どうやら君達と取引していたみたいだね。この会社と、か。それで揉めた挙句、殺人ってところか」

淡々と言う言葉に、愛梨のそばにいた男がずかずかとやってきて、思いっきり蹴られた。横にふっとび、ひしりひしりと痛みが伝わる。撃たれた肩が酷く痛い。どうやら蹴飛ばしたときに当たったらしい。

「図星みたいだね。」

というか、サラリーマンを狙う理由がこれしか思いつかないし、あの男が異様に信頼されているのが見て取れたからっていうだけで推理したから証拠は無いんだけどね。

「頭！サツがもう直ぐそこに来てや…」

勢い良く扉が開き、そう言った男がぶっ倒れた。周りが動揺する声と同時にサッカーボールが飛び出た。あ、誰が来たか分かったわ。