【名探偵コナン】転生作家の心得 (ページ20)

今日:11 hit、昨日:13 hit、合計:552,883 hit

19.『上賀茂愛梨の不運　その伍』ページ20

「それで、その村亀さんは殺される動機が見つらないくらい、良い人だったってこと？」

事務所にやってきた高木刑事と佐藤刑事に、コナンはソファに座り込み、小五郎及び蘭と話を聞いている。

「そう。会社からの評価も、近所の方々からも、何も無いの。寧ろ、何で殺されるのかって泣かれるくらいよ。」

困ったわと頭を抱える佐藤刑事。

「凶器となったナイフにも指紋は無いし、何処にでも売ってる果物ナイフで、新品だけど随分前に買われたものだった。」

高木は佐藤の後を繋ぐ。本当に難航しているのが見える。

「もしかして、通り魔って可能性もあるかもしれないな！下手したら次の被害者が出るかもしれねえ！」

小五郎が意気揚々というが、流石に誰でも考えるぞとコナンは思いつつ、資料を手に取る。経歴が書かれてあるが、特に怪しいところはない。

別資料には、遺留品の写真や当時の状況の写真が貼られている。スマホや財布、財布の中身などが無くなっていなかった事から、窃盗の疑いは除外された。腕時計、スマホ、書類。書類には顧客情報がびっしりと載っていた。流石に字までは判別できない。黒の革財布、ボールペン数本に、ポーチ、そして、車の鍵。特に怪しいものはない。手掛かりなしかと、コナンは項垂れた。

小五郎の推理を聞いていた高木はそうですね！と言って立ち上がり、二人揃って頭を下げて事務所を出ていく。きちんと資料は持っていった。それと入れ替わりに、安室が入ってきた。手には差し入れが。沖矢と同じ方法だと言いたいが、本人は知らないだろう。

「どうかなさったんですか？」

安室はハムサンドを置き、小五郎達を不思議そうに見る。ある程度盗み聞きをしていたのは内緒である。

「ああ、お前か。いや、この間サラリーマンが米花郊外で殺害された事件があっただろ。それの件で、高木達が聞きに来てな」

小五郎は誇らしげにしつつも少し難色を示している。安室は凄いと彼を賞賛しつつ、自分が入ってきてから警戒をし始めた少年を見る。

「先生、先程、海月さんから毛利先生に渡すように頼まれたんです」

中身は見てませんけどと、安室は小五郎に先程のメモ用紙を渡す。小五郎がそれを受け取って広げる。しかし、すぐに眉を顰めた。

「なんだこりゃあ……暗号か？」

小五郎の声にコナンや安室、それに蘭も覗き込む。そして、蘭も驚きの声をあげた。

"v_a- @-x mtc"

其処に書かれていたのは、アルファベットと記号の羅列であった。