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1話 ページ3

春という季節にはそぐわない少し肌寒い風
今年は桜が咲くのが遅かったらしい


橋の近くにたっているソメイヨシノの木を見て

『今年は、例年より一週間遅くの開花です』なんて言ってたショートカットの可愛いアナウンサーを思い出した


「…ショートにしたほうが良いかな」



ジャリっと砂を踏んだ音と共に曇りのない声が聞こえる

「A、ショートにすんのか?」


後ろを振り向いたら、思ってたより近くにいて真っ直ぐヘーゼルの目がこちらを見つめていた

あまりにも、綺麗な目だったからヒュッと喉がなった

春休み明けの君のその目は、心臓に悪いよ。



「しないよー笑 私はロングヘアが好きなの!」



「そうだよなー、A昔からずっと髪長かったもんな。夏でも本当暑そうだったぜ」

あ、でも冬は暖かそうだよな首元とか。

とか言って髪の毛について真面目に話すやっくん。


ロングヘアとショートヘアのことを話しながら、私たちの高校、音駒高校へと2人並んで進む

バレーの話でもない、ただのどうでもない話をして2人で学校へ向かうこの時間が好き


そんな春も、今年で最後。

私達は今日から3年生だ。

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作者名:そらの | 作成日時:2024年3月28日 2時

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