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35話 ページ35

話題が尽きたと思った時、「ギルバートはどうなった?」とアスモデウスが切り出す。

「魂、狩れたのか?」

「ああ、だがアルネが少々取り乱してしまってな。あいつには無理だと思ってたから俺がやったよ」

「取り乱したって、あの主席死神が?」

「殺された自分の兄と重ねたんだよ」

「兄……えっと確かデスプレイグとかいう名の」

「そう」

 そこからビスマスは考え込むような仕草をした後、思い出したように手を打った。

「そうだそういえば――デスプレイグを殺したの、俺なんだよ」

「は……え? はあ!?」

 こいつ今さらりと何て言った!?
 我に返ったアスモデウスが問い詰める前にビスマスは語りだす。

「哀れな奴だったよ。俺に敵うわけがないのに。アルネは可愛げがあったがあいつは――つまらなかった。毒の剣で貫かれても悲鳴すらあげない」

「何でそんなこと……」

 狼狽えた様子のアスモデウスをビスマスは凝視していたがやがて笑い出した。

「なに笑ってんだよ!」

「だって……くくっ……悪魔がそんな反応するなよ。こんなことお前らは平気だろうが。言っとくが、ギルバートのよりははるかに軽いと思うぞ。少なくとも手足引き千切ったり内臓持ってくようなことはしてないからな」

 思いの外黙り込んだアスモデウスを見てビスマスはようやく笑うのをやめた。
 
「俺が殺したってこと、アルネは知らないがな。あいつは今でも可愛い後輩のままだよ。無知でいてくれた方が可愛げがある。俺より知りすぎるなんて生意気だからさ、そうなったらあいつも殺すつもりだよ」

「お前、何なんだよ……」

「引いてるのか? おかしいな、これでは悪魔の方がまともに見える」

「うるせえな! だいたいお前、気味悪いんだよ! もう少し他の奴みたいに普通にしてくれた方が助かるのに摑みどころなさすぎて気持ち悪い!」

「そりゃ、褒め言葉をどうも」

「あんたは異常だな」

「ああ。だが俺みたいなのは人間でもいるだろう。そうだな、今日人間界の街で見た女は偶然事故を目撃してな。試しにそいつの心を読んでみたら……まあ、よほど日常に退屈してたのだろう。『残念だった』だそうだ。それが果たして『事故を目撃したこと』なのか、それともどうしてもっと近くでよく見れなか――」

「もういい。気分が悪いから帰れ」

「……はいはい。じゃあ何かあったらアルネにでも言え」

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設定タグ:死神 , ファンタジー , Twitter創作   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ラブ(プロフ) - 私の作品も見てね (2020年9月4日 3時) (レス) id: bd5d30469e (このIDを非表示/違反報告)
ラブ(プロフ) - にてる (2020年8月21日 19時) (レス) id: bd5d30469e (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - 寝夢さん» もう一個の方も読んでくれてありがとうございます!頑張ります! (2017年5月30日 16時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
田無苑珠(プロフ) - ゆるかなさん» ありがとうございます!はやめに更新出来るよう頑張りますね! (2017年5月30日 16時) (レス) id: f9f63da005 (このIDを非表示/違反報告)
寝夢 - 死神ファンタジック大好きです。もう一個の方も読みました!更新頑張ってください! (2017年5月30日 4時) (レス) id: 0c9f17ee4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:田無苑珠 | 作成日時:2016年9月26日 22時

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