検索窓
今日:7 hit、昨日:54 hit、合計:35,115 hit

まともでいること ページ30

「今マデノ考エヲヒックリ返サレタヨウデス」

「気持ちは分かるさ、俺もそうだった。下はまだ皆が思うような正義なんだが、上が駄目だった。現実はそうだったんだ。分かったかな? ムーンちゃん」

「ヨク分カリマシタ。でーたヲ書キ換エナクテハ」

「話終わったか?」

「あぁ、まぁ終わったかな」

「じゃあケーキ取ってくれ」

 ケーキが入った箱を指差して言うと、クラウディは少し嫌そうな顔をしたが、チョコレートケーキを取ってくれた。

 タルトがのっていた紙の皿をテーブルの端に寄せてチョコレートケーキ食べ始める。

「美味いか?」

「うん、美味い。でももうちょっと甘い方が好きだ」

「食いながら喋るな、行儀悪いし、汚いぞ」

「じゃあ話しかけるなよ」

「ほら、こぼしたぞ」

 クラウディが話しかけるせいで、口からこぼれて床に落としてしまった。

 もったいない。

 床に落ちたそれを拾ってまた口に入れる。

「衛生上アマリヨクナイデスヨ」

「まぁ、大丈夫だろ。ちょっとジャリジャリするけどな」

「デスガ……」

「今日はまだまともな方だから大丈夫だろ、ちゃんと会話できてるし」

 と、クラウディがにやにや笑いながら言う。

「マトモ?」

「2週間前来たときこいつ猫を生きたまま食ってたんだぞ、それに比べりゃ床に落ちたケーキ食うのなんて何でもないさ」

「たまたま部屋に迷い込んでた白い猫でさ、首輪してたなぁ。美味しそうに見えたんだよ、でも毛が喉に引っ掛かって不快だった」

「ソッチノホウガ衛生面ガ心配デスネ」

「そういう問題じゃないだろ。とうとう本物の化け物になっちまったんじゃないかって焦ったんだからな」

「俺は人間だぞ。化け物にはならない」

「そんだけ焦ったってことだよ。部屋真っ暗にしてぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃって目光らせてさ、まともなわけがない、こんなの」

「ソンナコトガアッタンデスカ……」

「他にもあの家族ごっことか色々ヤバい話があるんだ。ホント正気の沙汰じゃない。酷いときは会話すらまともに出来ないんだぞ!?」

「同時に12人と付き合ってるお前もまともじゃないと思うけどな」

「12人? 勘違いするなよ、18人だ。それに俺はまともな常識人だ、お前と違ってな」

「まともな奴は1人としか付き合わないだろ。本当にそろそろ刺されるんじゃねぇの?」

「ドッチモドッチナ気ガシマスガ……」

 小さな声でムーンが言う。

「いや、本当に俺はまともだぞ。悪いことはしないしな」

訪問の訳→←悪徳



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , 殺人鬼 , 小説 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。