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美味しいケーキ ページ27

「一ついいか?」

「一ツイイデスカ?」

 二人が全く同じタイミングで言う。二人は顔を見合わせた後、何とも言えない表情をした。

「あのさ……」

「アノ……」

 また被った。

「片方ずつ喋れよ。俺は東洋の国の偉い奴じゃないんだからな。一人が限界だ」

「じゃあ、俺から。あ、あとこれお土産な。出禁のお前にために買ってきてやったんだ」

 クラウディが持っていた箱をテーブルの上に置いた。

 箱を開けると、中には色とりどりのケーキが入っていた。

「あ、ケーキ! 俺ここの好きなんだぁ、ありがとな!」

「うちの5歳のいとこより喜んでくれて嬉しいよ」

 何から食べようか。青い苺のショートケーキやチョコレートケーキもいいけど、この初めて見るやつも美味しそうだ。

「ムーンも食べるか? これすごく美味しいんだ」

 可愛らしいチョコレートの猫が乗ったケーキと箱に入っていたプラスチックのフォークをムーンの前に置いてやる。

「アリガトウゴザイマス」

「お前も食えんの!?」

 クラウディが驚きの声をあげる。

 確かに普通に渡したが、ムーンはケーキを食べることができるんだろうか。

 機械は人の食べ物を食べることができるんだろうか。

「食ベラレマスヨ。食ベ物カラデモえねるぎーヲ補給スルコトガデキルヨウニナッテイマス」

「へぇ、やるじゃないか」

「……それで、レイン。聞きたいんだが何でお前さんは喪服なんか来てるんだ? これから葬式の予定でも?」

 そうクラウディに言われ、はっとする。

 道理で少し動きにくい訳だ。そういえば帰ってきた後着替えてない、上着もしっかり着たまま寝てしまって今もそのままだ。

「着替えるの忘れてた」

「葬式は昨日だったか? 一体誰が死んだ? というかお前参加できたのか」

「いや、違うけど。ちょっと着替えてくる」

 自分の部屋に着替えるために戻ろうとすると、クラウディが呼び止めた。

「おい、お前……」

「何だよ。早く着替えてケーキ食べたいんだけどなぁ」

「分かった、着替えてこいよ。早く戻ってきてケーキ食べよう」

「お前にはやらねぇよ」

「買ってきたやつには食わせてくれないのか!?」

「お前にやるくらいなら、自分で食う」

「酷い奴め」

「ばーか」

 自分の部屋に戻り、クローゼットを漁る。

 紫の長袖のシャツと緑のオーバーオールを着ることにした。

 ついでにと、脱いだ服はゴミ箱に捨て、リュックに詰めた服は部屋に置いてあったかごに入れた。

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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

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