ヒトゴロシは語る

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……なぁ。

　それ、やめてくんねぇかな。

　眩しくて眩しくてしょうがない。

　いやさ、この部屋鉄格子付きのちっちゃい窓しかないから電気の明かりがあるのはわかるんだけどさ。

　そんなにビカビカ眩しい電気スタンドの明かりを顔に直に当てられたんじゃたまんないよ。

　もう目の前が真っ白で、真正面の刑事さんの顔さえ見えない。

　お願いだからさ、その明かりを消すか、ほんのちょっと逸してくれないかね？

　…………あぁ、ありがとう。

　これで少しは良くなった。

　まだ白い残像みたいのが目に張り付いてるけどさ。

　……で、えっと、なんだ。

　何をどこまで話してたんだっけ？

　あぁ、そうだ、そうだ。

　そうだよ。俺がやったんだ。

　えーっと、ジェシカに、メアリ、マリア、ミッシェルにハドリー、アルフレッド、ジョーダン、それからアユミ、コーイチ、オリバー、ルナ、ジェシカ……。

　いや、ジェシカは言ったな。

　うん？ あと一人の名前が出てこねぇな。

　顔は出てくるんだが……、ほら、あの赤毛の、目がパッチリしてて、唇が薄くて……。

　あ！ そうだよ、それそれ！

　シャーロット！

　そいつも俺が殺した。

　俺がやったのはこの12人だけだ、あとは知らないぞ。

　本当だって、信じてくれよ。

　こう見えても俺、嘘が下手なんだ。

　誰がどう見ても嘘だってバレるくらいね。

　それに殺した人数をサバ読んだって意味ないだろ？ 調べたらすぐにわかることなんだから。

　で、他に俺は何を話せばいいのかな？

　あー、なるほど。

　どうやってやったか、を話せばいいんだね。

　いいよー、君みたいな可愛い刑事さんにだったらいくらでも手錠かけられたっていいし、なんだって話してあげちゃうよ。

　どう？ 恋愛話とか君のスリーサイズとか、好きな食べ物とか趣味の話でも……。

　はは、分かったよ。

　話すよ。

　さて、まずは誰から話そうか……。

　まぁ最初から順番に話していくことにしようかな。

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