最弱悪魔は生き残りたい2 (ページ27)

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再会 5 ページ27

それからモノクロはじっと床を見ているばかりで、何を考えているのかさっぱり分からない。

　どこで降りるのかも分からないので俺も隣でただ黙って座っているしかない。

　そういえば初めて会った日もこうして電車移動だったな。移動するのは力を使うって言ってたし、今回の電車移動もそれ？

　でも1日の内で何回も瞬間移動みたいなのを使うこともあったし、距離と力の消費量は関係なさそうだったし、実は気まぐれ？

　いや、でも……。

　駄目だ。モノクロがよく分からない。

　無言のままどんどん電車は進んでいき各駅で人が乗ったり降りたりを繰り返していたが、だんだん降りる人のほうが多くなってきて車内にいる人間は1人、2人程度まで減っていた。

　……あと3駅で終点。

　あ、そうだ。

　姉ちゃんのことを言おう。今回狙ってる奴が終わったら会いに行きたいって。

「あの、モノクロ」

　二人の間の沈黙を破って声をかける。

　返事はない。

　目は開いているから寝ているわけではない、と思う。

　人間の姿はガワだけをそう見せているだけだから実際のモニター頭の方はがっつり寝ている可能性もあるが。

　多分聞いてるだろうということにして話す。

「モノクロ、ちょっと頼みたいことが」

「頼み？」

　相変わらす床を見つめたままだがモノクロが反応した。ちゃんと聞いてたみたいだ。

「うん、そう。姉ちゃんのことでさ、ちょっと……」

「マグラの？あいつの何だ、どんな内容だ」

　モノクロは姉ちゃん関連の話だと分かった途端、顔を上げてこちらを見た。

　何か関係はあるってことは分かっていたけど、ちょっと姉ちゃん出しただけでこんなに分かりやすく食いついてくるのか。何か分からないけど姉ちゃんすげぇ。

「モノクロと契約してから全く会ってないからさ、俺のこと心配してると思うんだよ。俺だって心配だし。だから、今日狙うって言ってた悪魔を殺せたら、会いに行きたいなぁー、なんて……」

「あぁ、そうだな。そうしよう、それがいい」

　即答だった。思っていたよりもあっさりオーケーが出た。

　すごい。さすが姉ちゃん？

　そしてすぐにモノクロは赤い表紙の本を手元に出現させ、パラパラとページをめくり始める。

しかしなんでモノクロは姉ちゃんが絡むとこんなに行動が早いんだろう？俺と契約を決めたのも姉ちゃんの名前が出てすぐだったし。

　ますます2人の関係が気になる。