最弱悪魔は生き残りたい2 (ページ13)

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遊戯 13 ページ13

その速度は悪魔によって個人差があるけど、基本的には強い悪魔ほど早いはずなのに。

　どう見たって弱い俺より遅い。遅いというか何も変わっていないどころか悪化していっている。

　……人間みたいだ。

　いや、もしかしたらこのゲームの仕様かもしれない。

　それだとしたら結構厳しいな……。

「あぁ、やっとついたぁ」

　俺と同じタイルまで移動してきたクエスチョンが、疲れたような声で言う。

　そしてまたタイルが光り、女の子の声が響く。

「良かったね！なくしたものをちょうちょさん達が運んできてくれたよ！」

「私のなくしたものって何でしょう？ドグラはなんだと思います？」

「さぁ？」

　先程のように蝶の群れが現れ、こちらに向かって飛んでくる。

　しかし先程とは違い蝶の群れはクエスチョンの周りではなく、クエスチョンはワニに噛まれたタイルの方へと向かっていく。

「あー、いらないのに」

　ポツリとクエスチョンが言う。

　タイル一面に蝶がとまる。ああいうふうにみっしり虫がいるっていうのはなかなか気持ち悪い。

　それにしても何を……、いや、なくしたものって。

　蝶が一斉に飛び立ちクエスチョンに向かって飛んでくる。そしてちょうど真上まで来ると鉄の匂いがする赤い液体が降り始めた。

　一匹一匹が蜜を吸うためのストローのようになった口から赤い液体……、血を吐き出してそれが雨のようになって全部クエスチョンに降り注いでいる。

　蝶がとまった、クエスチョンがいたあのタイルに溜まった流した血を蝶の群れが運んできたのだ。

　いや、まぁ、たしかになくしたものだけど、これはどうなの？と流石に思う。

　幸い俺には一切かかってないから良かったけど。

　すべての血を吐ききった蝶から消えていき、しばらくしてようやく血の雨がやんだ。

「あぁ、もう。良くない、良くないです。かけたって体には戻らないのに」

　悔しそうにそう言うクエスチョンの体は、頭から足まで真っ赤に染まってしまっている。

「真っ赤だ。まぁ、別に構いませんが。……次はドグラの番です」

「あー、うん」

「ゴールできると良いですね、そうしたら私の負けですね」

　5以上出せばゴール、5以上出せば俺の勝ちで終わる。

　祈りながらすでに手にしていたサイコロを放り投げた。大きく弾んだサイコロが足元でゆっくりと動きを止める。

　どうだ？何だ、どんな目が出た？

　まず1つ目は、…………1。