最弱悪魔は生き残りたい2 (ページ2)

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遊戯 2 ページ2

「やぁ、私の知らない人」

「え、あんた……。え？でも」

　どうしてここにいるんだ？さっき連れていかれるところ見たはず……。

「あはは、ビックリしましたねぇ。急に飛び出してくるんだから！あぁ、やっぱりモノクロは酷い人、いや、酷い悪魔です」

　そう言いながらそいつは立ち上がり、俺の方までやって来た。

　その姿は先程と全く同じで何事もなかったようだった。しかし、帽子がなく表面が焼け焦げたような頭部が見えていた。それに杖も持っていない。

　周りとちらっと見ると、部屋の隅にいる帽子と杖と目が合う。

　意思があるのかそいつらは震え、怯えたような目でこちらを見ていた。

「はじめまして、知らない人。私のことはクエスチョン、とお呼びください」

　視線をそいつに戻すと、いつの間にか息のかかるほど近い距離まで近づいていた。

　視界を確保するために仮面に空けられた2つの小さな穴の奥の目と、めちゃめちゃ目が合っている。

「あ、ハイ。クエスチョン……、ですか」

　クエスチョンは俺から目を離さずに2、3歩離れると、くるりと一周回って見せた。

「ふふ、いいお名前でしょ？素敵でしょ？最高でしょ？素晴らしいでしょ？モノクロがつけてくれたあだ名なんです。私、この名前がとーっても気に入っているんです。えへへ、すごく、良いでしょ？」

　両手を頬にあて、うっとりしたようすでクエスチョンが言う。

「あぁ、そうだ。あなたのお名前は？」

「えっと、ドグラです」

「そう、ドグラ。ドグラ、……ドグラ。いい名前ですね！格好いいです。あ、素敵な角をお持ちですね、触っても？」

　そう言いながらそいつ、クエスチョンは再びこちらに近付き、いいと言う前に俺の角を触り始めていた。

　何だ。何なんだ。

　さっきからやってることが理解できない。

「あら、硬くて、とがっていて良いですね。RPGだったら武器の素材とかになっていそう。あの、槍とかそういうやつ、長い棒の先とかにつけたりして」

　角にあまり感覚はないが、触られると変な感じがしてくすぐったい。

「はぁ、そうですか」

「あ、それより！ドグラ、聞きたいことが」

　急になにか思いついたようにクエスチョンが言う。

「はい、な、何でしょうか？」

「あなたはモノクロとどういう関係で、どういう事情があってここにいるんですか？」

　さっきまでとは全く違う、わざとらしい抑揚が全く無い、低くて冷たい声。

「ねぇ、ドグラ。教えて」