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出会い 2 ページ8

私は体を変化させ武器のようにできる能力の他に、自分の気配を完全に消して、どんな方法でも感知されない能力があるから姿さえ見られなければ大丈夫。

 声がすぐ横を通る、心臓は今にも破裂しそうなくらいにバクバクと脈打っていた。

 ……どうか、あいつがゴミ箱の蓋を開きませんように。

 隠れ家に残してきた弟の姿が思い浮かぶ。

 ドグラ、もう少し待っていて。すぐ、戻るから。

 戻ったらすぐに、移動しなくては。ここから遠く離れた場所へ。

 しばらくして完全に声も、あいつの気配も消え、場所を移動しようとゴミ箱から出た私の腕を誰かが掴んだ。

「ねぇ」

 私の腕を掴んだのは、目の部分に穴が空いた紙袋を被って、白いワイシャツを着た男のようだった。

 そいつのすぐそばにはコウモリが合体したような帽子と、それを被った鳥のような杖がいて、こちらを興味深そうに見ていた。

 生きている? それにこの何とも言えない不気味さと気持ち悪さが混ざった気配、間違いなくこいつは悪魔だ。

 しかも、私よりも強い力を持っている。

「ねぇってば」

 驚きで固まってしまっている私にそいつはじれったそうに呼び掛けた。

「ねぇ」

「……っ」

 腕を振りほどこうとしたが、掴む力はかなり強く振りほどくことはできなかった。

「離して」

 もしものことを考えてあいつに聞こえないように、声を潜めて言う。

「聞きたいことがあるんだ」

 そいつも私の真似をするように声を潜めて言う。

「……あなたに教えることなんて、一つもない」

「あぁ、そう」

 腕を掴む手により力が入る。

「っ……」

「いいの? いいの? 大声あげちゃうよ? 僕らはここにいるって、おっきい声だしちゃうよ? きっとモノクロはすぐに来る。一瞬であなたを捕まえちゃうよ。教えてくれないとそうなるよ、いいの?」

 そう言ってそいつは、穴から除く目を細めた。

 モノクロとはあいつのことだろうか。だとしたら、こいつも仲間なのか。……この状況はとても良くない。

「捕まりたくないでしょ? だからね、たった、たった一つでいいんだよ? 答えて。答えてくれたら見逃してあげるよ? ね、いいでしょ?」

 相手は悪魔だ。見逃す、というのは嘘かもしれない。ましてやあいつの仲間、余計に信用できない。

 しかし腕をしっかり掴まれて逃げられない。

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P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです!更新楽しみにしてます……! (2023年4月17日 22時) (レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2022年2月25日 1時

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