天使と悪魔 3 ページ4
「くそっ！ 離せ！ この悪魔め！」
天使は唾を飛ばしながら、大声で叫ぶ。
床に押さえつけられ、こちらを睨みつけ、思いつく限りの罵倒を吐き出すその姿は皆が想像するような天使とは程遠い。
「うるさい奴だな。ここで殺したっていいんだぞ」
そう言った瞬間、天使は自信に満ちた顔で笑った。
「はっ、残念だったな、低級な悪魔のお前は知らないだろうが、我々天使は偉大なる神からの加護を受けている。悪魔だろうと、なんだろうと我々を殺すことはできない」
「残念なのはお前の頭だよ。天使を殺す方法くらい知ってるさ」
「なんだと」
「天使を殺す方法は一つ。悪魔に堕とせばいい」
天使の顔色が変わった。
「ま、まさか……」
「悪魔に堕とす方法は3つ。知っているだろ？」
影を小さな注射器に変形させて、右手に持つ。
「1つは人間に恋をする。1つは化け物と交わる」
注射器の針を自分の首の血管に刺してゆっくりと血を吸い出す。
「そして……」
注射器がいっぱいになった頃を見計らって針を抜く。
「あと1つは悪魔の血を取り込む」
「やめろ、やめてくれ……」
震える天使の背中に注射器を突き刺し、中身を注入すると、すぐに変化が現れ始めた。
「う……あ……」
白かった髪や羽は黒く変色していき、羽はバキバキと音を立てて針金の細工のような細く不格好なものへと変わっていく。光の輪は変化に合わせて薄くなり消えた。
ミシミシと音を立てて額の真ん中からヤギのような角が生えてくる。
そして体の変化が終わったと同時に着ていた服も髪と同じ真っ黒に変わった。
「はは、これで仲間だ」
天使だった悪魔は呆然としていた。
「それじゃあ、さよならだ」
悪魔に変わったばかりのそいつを、先程の死体のように影の中に飲み込んでいく。
「あ、やめ……」
飲み込む途中、そいつの心臓に太い棘のように変形させた影を突き刺してやった。
完全に悪魔の姿が影に消え、そこには自分以外に生き物は残っていない。
……帰るか。
まだ昼前だし、家からは遠くない。
クエスチョンは勝手に何か昼食を食べているだろうし、ゆっくり夕飯のことでも考えながら帰ろう。
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P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです！更新楽しみにしてます……！ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2022年2月25日 1時
