愛し子 2 ページ13
僕の話を聞いて妻は、大丈夫とか、きっと見つかる、とか色々な励ますような言葉をかけてくれたけど何も響かなかった。
すると、部屋の戸が叩かれ、出てみると見知らぬ男女がそこに立っていた。
彼らは大事な話があるので入れてほしい、と言ったが急に訪ねてきた見知らぬ男女を簡単に部屋に入れてしまうほど不用心ではない。
それにまだ幼い娘もいるし、帰ってくれと言って戸を閉めようとした。
しかしその直前、女の方の言葉を聞いて一瞬だけ時間が止まったような気がした。
両親の遺体の行方を知っている。
女はたしかにそう言った。
妻は嫌そうにしていたが、その言葉を聞いた僕は2人を招き入れてしまった。
何か、ほんの少しでも手掛かりになるようなものが欲しかったのだ。
2人は自分達は悪魔狩りだと名乗り、そこで僕は招き入れたことを後悔した。
しかしそれにお構いなく2人は話を続ける。
安置所で動き出した焼死体は悪魔で、両親の死体を持ち逃げした。両親は火事になる前にその悪魔に殺されていたことが分かっている。自分達も初めて確認した悪魔なので詳細は分からない。
そんなことを話していたと思う。
一通り話し終えると2人は真剣な顔でこちらを見た。
そして、ご両親は悪魔と契約などしていませんでしたか？ と、責めるような、尋問のような口調で僕に尋ねた。
ふざけるな。
きがつくと自分でも驚くほどの大声で叫んでいた。
驚いて目を覚ました娘の泣き声が部屋に響く。
こっちは大変なのに、悪魔なんて非科学的なものがどうとか、両親が悪魔と契約とか、ふざけたことを言ってくる2人に怒りが湧いた。
そして強引に2人を追い出し、逃げるように毛布の中に潜って眠った。
翌朝、警察から連絡があり、火事は事故などではなく放火の可能性が高いことと、両親は火事の前に死んでいたこと、地下室が見つかりそこに誰かが暮らしていたらしい痕跡があったことを知らされた。
それから一緒に見つかった焼死体が恐らく犯人だろうと告げられた。しかしその焼死体は両親の遺体とともに行方不明で、まだ身元が特定できていなかった。
何か思い当たる節はないかと聞かれたが、何も思い当たるものはない。とだけ答えて電話を切った。
焼死体が誰かも、地下室があったことすら知らなかった。
何故、僕の両親は殺されなくてはならなかったんだろう。名も知らぬ犯人が許せなかった。
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P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです！更新楽しみにしてます……！ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2022年2月25日 1時
