最弱悪魔は生き残りたい

計画 5 ページ50

まずはこいつ、1人、どころじゃなく何人も悪魔が命を落としているのだろう。俺に代わって最下位になってしまったそいつの順位は653位。

　はぁ、なるほど。名前はピーター。見た目がかなり幼い、もしかしたら生まれたばかりなのかもしれない。

　でもこいつじゃ弱すぎる。たとえ魂を取り込んでも順位は上がらない。

　もう少し上の順位を、一気にページをめくる。

　628位、うわぁ、すげぇごっつい悪魔だ。めちゃくちゃ鍛えてそうな立派な体。

　俺もこんぐらい強そうな見た目になりたいもんだ。

　その隣の627位の悪魔は……。

　そうして見始めたはいいものの、やはり睡眠時間が短かったのもあり、しばらく悪魔達を眺めているうちにウトウトしてきていつの間にか眠ってしまっていた。

　次に目を覚ましたときには、窓からまだ日は見えていたけど大分移動していた。

　大きなテレビの横に置いてあるデジタル時計を見れば午後3時丁度になるところだった。

　あっという間に時間が過ぎてしまったことに驚いたのと一つあることに気がついた。

　モノクロは？

　いつもだったら俺よりも先に起きてきて、寝ている俺を文字通り叩き起こすのに、今日はその姿すら見ていない。

　こんなにも堂々とソファで眠っている俺に気が付かないはずないし……。

　気配からして家の中、自分の部屋にいるのは確実なのだが一体どうしたんだろう。

　もしかしたら今日一度も部屋から出ていない？ やる気が無い日か？

　明日から悪魔を狙っていこうと言っていたのに？

　四角いマークのついた部屋、つまりモノクロの部屋には絶対に入るな、近づくなと言われているから簡単には行けないし。

　何よりモノクロの機嫌を損ねるのが怖い。

　まだ幼い少女に平気であんなことできるような奴が機嫌を損ねてしまったら、それこそ何をされるか分かったもんじゃない。

　でも、俺を強くする手伝いをするって契約しているから、そのことの相談のためってことなら……。

　いや。駄目だ。

　毎日のように近づくなって言うくらいなんだから、駄目に決まってる。

　どうしようか考えていると突然、玄関からチャイムの音が鳴り響いた。

　何かと思っていると、もう一度チャイムが鳴った。

　来客？

　また鳴った。

　どうしよう。なんて考えながら何故か足は玄関の方へと向かっていた。

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