烈火 18 ページ44
気づけば、遠くのほうが騒がしい。
まぁ、そりゃそうか。火の気の無いはずの場所で大きな炎が突然出たり、消えたりしてたらおかしいと思う。
いくら夜で人間の気配のない場所だったとしても、ここは昼間は多くの人間が働いているような場所だから何かカメラとか監視役みたいのはいるだろうし。
警察に通報されたのが悪魔狩りにも伝わったんだろうか。
「じゃあ……」
逃げよう。そう言いかけたとき、全身を悪寒が走った。
「さみぃ」
暖かくなり始めている時期だけど今は夜で、しかも冷たい海水に浸かって全身びしょ濡れ。まぁ、当然か。
「……はぁ。急いで移動しよう、奴らは面倒だからな。ほら、こっちに来い」
ため息を一つついてからモノクロはおいでおいでと手招きをしたので、俺もそれにつられてモノクロの方に歩いて行こうとした。
でも、一歩踏み出した先には地面がなかった。あったけどなかった。
「え」
暗く、分かりづらいが俺が踏み込んだのはモノクロの影だ。
そのまま足はずぶりと影に飲まれて消えていく、突然のことに驚いて抜こうとしたけど泥のように重くまとわりついて引き抜けないどころか、どんどん沈んでいく。
底なし沼ってこんな感じなんだろうか。
もう片方の足も気が付けば飲み込まれてもう腰のあたりまで飲まれている。
モノクロの方を見ると、こちらを見下ろして笑っていた。
「引っかかったな」
え？
どういうこと？
いや、あれだよね。瞬間移動できるやつだよね。
このパターンは初めてだけどそうだよね？
「飽きた」
モノクロがポツリと言う。
「どういうこと？」
「お前に、飽きた。もう食おうと思ってる」
え、え？
今、なんて。
突然、なんてことを言い出したんだ。
抜け出そうと体を動かすが抵抗すればするほど沈むスピードは上がり、どんどん飲み込まれていく。
もう腕と胸のあたりまできてしまっている。
思うように体が動かない。
てか、マジ？
冗談だとしても今ここでやる？
いや、冗談じゃないからやってる？
ヤバ、頭が、処理が追いつかない。
「それじゃあ、さようなら」
そこで俺は完全にモノクロの影に飲み込まれてしまった。
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (
レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張って下さい！ (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー！ (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ！(？)どうも！はじめまして！読ませて頂きましたが、すんごく面白いです！頑張って下さい！応援してます！ (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました！！ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2020年11月2日 14時
