最弱悪魔は生き残りたい

はじまり ページ1

西暦2020年1月1日の今日、悪魔が増えすぎたので減らすことにしました。

　なので悪魔全員を魔力の強さ、地位、殺した人間の数、その他諸々を含めた順位付けを行いました。

　そして今から丁度２年後、順位が100位以下の悪魔は皆死に、完全に消えてしまいます。

　100位以下でも安心してください、順位は固定ではありません。

　人間の魂や他の悪魔を取り込んで強くなったり、自分より上の順位の悪魔を殺すなどで自分の順位を上げることができます。

　100位以内だからと油断することのないようにお願いします。

　気がついたら100位以下に、何てことになるかもしれませんよ。

　付けられた順位はタグのような形にしておいたので、身につけてください。それ以外は特に制限やルールなどはありません。

　順位が変更された際はタグに書かれた順位も変わるので、現在の自分の順位をいつでも知ることができます。

　一度身につけると、終わるまで外すことはできないので普段の行動の邪魔にならないところで、他の悪魔からも見える位置につけて下さい。

　タグに魔力を込めると本が現れます。本には全ての悪魔の情報が順位順に記載されています。こちらも順位の変動によりページの順番が変わります。

　情報といっても、名前、外見、年齢、殺した人間や悪魔の数、こなした契約の数、簡単な紹介の文章だけです。その悪魔にとって不利になるような情報は一切記載しないのでご安心を。

　本は持ち主の手から離れると消えてしまいますが、タグに魔力を込めれば再度出現させることができます。

　それでは皆さん、頑張って下さい。



　そんなことが書かれた手紙と、真っ白なタグ。

　急に目の前に現れたそれを見たときは冗談だと思ったが、すぐにそれが本当のことなんだと理解した。

　手紙の最後に押された印、それは俺達悪魔や天使、人間やそれ以外の生き物やを生み出した、神様だけが使う印だった。

　神様は絶対だ。誰も逆らえない。

　その神様が悪魔を減らすって言ってるんだ。本当に2年後、100位以下の悪魔は消えてしまうんだろう。

　不安になりながらもタグを左耳に付けた。すると順位が浮かび上がった。

　……100位以内じゃない。

　わずかしかない魔力を頑張ってタグに込め、本を出現させる。

　本は黒い皮の表紙で分厚く、重い。急いでページをめくり、自分を探す。

　自分は今、どの程度の順位なんだろうか。

　めくってめくって、ようやく最後のページに自分を見つけた。

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