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柵を越えない羊を数える 3 ページ30

あの後、ジャックから解放してもらい、大浴場まで案内するとアリスさんに連れられ、白い廊下を二人で歩いていた。

「ありがとう、ございます」

「いいのよ。いつものことだし気にしないで」

「でも、ジャックは……」

「大丈夫大丈夫。床に転がしとくくらいがちょうどいいのよ。私の本の分もあるしね」

 くすくすとアリスさんが笑う。

「案内って言っても、真っ直ぐ歩くだけだったわね。ほら、ここでお風呂にはいれるわ」

「ここ……」

 大浴場は私の病室から真っ直ぐ行ったつきあたりにあった。

 それでも、この病院の端から端まで移動するので結構な距離ではあったが……。

「さ、一緒に入りましょ。洗ってあげる」

 背中を押される。

「一緒に?」

「あら、嫌だった?」

「いや、その、別に……。嫌、では、ないです……」

 こういうことも初めてのこと。でも、なぜか嫌な気はしなかった。

 なぜだろう。ここの人には少しだけ、心を許せる。

 それはたぶん、私のことをいじめないから。

「さ、いきましょ。ユカ」

「やぁ、アリス! それに新入りのお嬢さん! 昨日はよく眠れたかな?」

 突然、声がした。

 声のした方を見ると、声の主は階段に座ってこちらを見ていた。

「睡眠は人生の3分の1を占めている。出来ればその時間を大切によりよいものにしていくべきだと思わないか?」

「相変わらずお喋りね。スリープ」

 スリープと呼ばれた男の人は、目の下に大きな隈を作り、ナイトキャップを被って、枕を抱えていた。

「考え事をする時間ならたっぷりあるからねぇ……。喋りたいことが増えるのは当然さ」

「はぁ……、そうなの……」

 アリスさんは呆れたような感じだった。

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闇の花 - イラスト方も全部見せてもらいました!!イラストも本編も両方神です!!キャラクターに恋して見に来たらもっと萌えました♡ (2021年10月31日 21時) (レス) id: c41fddad3f (このIDを非表示/違反報告)
玄米 - これを読むために占いツクール開いています!全部ではないですがほぼ読みました。面白かったです!ここまで読んだのはこの作品が初めてです。 (2021年1月5日 19時) (レス) id: 7e3b04a730 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - ジャックがすごい好きです!!面白くて一気読みしました。その後、もう一度じっくり読むと、「やっぱおもしろい……!」ってなります。神作品!!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 70c8834e49 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 201号室の二人がなぜかカップルに見えてしまってあああああああってなった (2020年1月5日 0時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
空百合@募集企画運営のため低浮上(プロフ) - 続編移行ですね……!これからどんな患者たちが出てくるのか、患者たちの病気は治療されるのか、気になることがまだまだたくさんあります…… (2018年6月10日 7時) (レス) id: 3dba0349b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2017年10月8日 17時

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