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8*告白(こくはく) ページ10

そして、歯車は回り始める。

誰の気持ちも知らずに。



「わぁ…綺麗」

 一面の花畑。
 青、橙、桃、赤…
 いろんな色がめまぐるしく私の目の中に入ってくる。
 そして、小高い丘のてっぺんには、とても、とても大きな木が一本だけあった。

『この前見つけたんだ。リリアを連れて来たくて…』

 少し照れくさそうに言うA。
 その言葉に、また私の鼓動は踊りだす。

「そ、そうなの?ありがとう!」

 速い鼓動を悟られないように、笑顔でいつもどおり返す。
 でも、少し…少しだけ、言葉に詰まってしまった。
 …嬉しすぎて。

「わ、私ね、お母様にお弁当を持たせられたの。お昼になったら、一緒に食べましょう?」

『いいね。楽しみだな。』

 さっきはとても大人びていたのに、今度はどこか子供っぽいことを言う。
 柔らかな大人の笑みから、子犬のような可愛らしい笑みになっている。
 そのギャップに、私は思わずクスッと笑ってしまった。

『な、何さ。』

「いいえ。可愛らしいなって思って。」

 私がそう言うと、Aは少し頬をふくらませていた。



 楽しい時間はすぐ過ぎ去るもの。
 いつしか、空は茜色に染まっていた。

「もう、夕方なのね。ねぇ、A。そろそろ帰りま…!?」

 言えなかった。
 急に腕を引かれ、腰に腕を回され、目にはAの端正な顔と、茜色に染まる銀髪が飛び込んでくる。
 私の唇は、Aの唇によって、塞がれていた。

『ねぇ…驚かないで、聞いてくれるかい。』

 唇が離れ、私はAに抱きしめられる。
 頭が追いつかず、心臓だけが動きを速めた。

 そして、貴方は耳元で囁く。

『僕は、君が好きなんだ。』

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ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:死神 , ファンタジー , 恋愛   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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夜月(プロフ) - P(リン)さん» 元影猫です。そうでしたか。殿堂入りされた今では、何とも言えませんが……………お答えありがとうございます。 (2014年8月20日 8時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - 影猫さん» 私は好評価のみ受け付けているつもりはありませんよ?そして、申し訳ありませんが私自身このサイトのシステムは理解しきっておりません。なので影猫さんの質問には答えかねます。本当に申し訳ありません。 (2014年8月18日 14時) (レス) id: e39482bc43 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 質問です。何故サクシャサマは『好評価のみ』受け付けておられるのですか?私が評価をしたときは、95名の方が評価しておられたようですが……………このサイトのシステムは、100名ではありませんでしたか? (2014年8月17日 20時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - kum.Aliさん» 応援ありがとうございます!とても励みになります。拙い文章ですが、頑張ります! (2014年3月27日 19時) (レス) id: c342c49956 (このIDを非表示/違反報告)
kum.Ali(プロフ) - ファンタジーって素敵ですよね!あ、いきなりすみません。読んでて文章構成もストーリ性も素敵だなぁっと思ってついコメントを…。羨ましい限りです! 応援してます。これからも更新頑張って下さい^o^ (2014年3月25日 9時) (レス) id: 058c904860 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P(リン) | 作成日時:2013年11月2日 22時

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