48*御伽噺2 ページ50
母様は、とても美しい、「人間」だった。
*
本来ならば、あり得ないことだった。
「人間」と、「それ以外の種族」が交わり、子を成すなど。
さらに、それが王家となればもっての他。
血筋こそが要となる王家に嫁ぐのは、「悪魔」と「人間」以外の「純血種」と呼ばれる者のみと決まっていた。
「悪魔」と「人間」以外の「純血種」ならば、種族は関係無かった。
「死神」は、他の夜を生きる種族と比べて短命だ。故に子孫を残さねばならない。
そのために「死神」の血はとても強くできている。
「死神」と交わり、子を成せば、「死神」の子が産まれると言われるほど。
そんな「死神」の血も、「人間」と「悪魔」の血には抗えない。
本来、「悪魔」は子孫へと受け継がれるものではない。
「悪魔」は、極々低い確率で、遺伝子に異常が生じ、産まれてくる禍罪(マガツミ)の子。
いわば突然変異のようなものである。
その「悪魔」と交われば、「悪魔」が産まれてくる確率が高くなる、というだけのこと。
その遺伝子に何があったかはわからないが、当時のダーリシグ帝国では「悪魔の子は悪魔」と言われつつあった。
そして「人間」。
ダーリシグ帝国では、人間は「脆弱で、短命な卑しい種族」と認識されていた。
その血は、全種族のなかで最も強く、悪魔以外のどんな種族との子も人間になってしまうほどだった。
そして、人間と悪魔の子はどうなるか?
答えは至極単純であり明快。
「悪魔」の能力――――――――すなわち「闇魔法」を使える人間が産まれてくる。
このお伽噺は。
そんな奇怪な状態にある者と
そんな者に恋をした
とある国の王様の
狂気と愛の物語である。
*
母様は、とても美しい、「悪魔」でもあった。
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夜月(プロフ) - P(リン)さん» 元影猫です。そうでしたか。殿堂入りされた今では、何とも言えませんが……………お答えありがとうございます。 (2014年8月20日 8時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - 影猫さん» 私は好評価のみ受け付けているつもりはありませんよ?そして、申し訳ありませんが私自身このサイトのシステムは理解しきっておりません。なので影猫さんの質問には答えかねます。本当に申し訳ありません。 (2014年8月18日 14時) (レス) id: e39482bc43 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 質問です。何故サクシャサマは『好評価のみ』受け付けておられるのですか?私が評価をしたときは、95名の方が評価しておられたようですが……………このサイトのシステムは、100名ではありませんでしたか? (2014年8月17日 20時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - kum.Aliさん» 応援ありがとうございます!とても励みになります。拙い文章ですが、頑張ります! (2014年3月27日 19時) (レス) id: c342c49956 (このIDを非表示/違反報告)
kum.Ali(プロフ) - ファンタジーって素敵ですよね!あ、いきなりすみません。読んでて文章構成もストーリ性も素敵だなぁっと思ってついコメントを…。羨ましい限りです! 応援してます。これからも更新頑張って下さい^o^ (2014年3月25日 9時) (レス) id: 058c904860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P(リン) | 作成日時:2013年11月2日 22時