43*事件(じけん) ページ45
「あぁ、そうだ。前置きが長くなったけどよ、本当は報告することがあんだよ。」
男の姿に戻ったエラディは腕を組みながら振り向いた。
Aはそれに対して、前置き長すぎでしょと言いながら、ソファーに座る。
「サディスティックプリンス…、ディアル、だったかな?そいつの事なんだけどさぁ…」
ここで言葉を区切るエラディ。
もったいぶる彼の行動に、Aは僅かに苛立ちを感じた。
『ディアル王子がどうかしたの?』
話の続きを促すも、エラディは一向に話そうとしない。
その表情は、だんだんと言いづらそうなものになっていく。
「…先に言っておくぜ。俺は、いついかなる時でも、可愛い友人の味方だからな。」
『な、何さ急に。どうしちゃったの?』
その後、エラディは口を開きかけては閉じ、を数回繰り返した。
だが、その時間も長くはなかった。
ようやく、彼はその重い唇を開く。
「ディアルが、死んだ。」
その事実自体は、大したことはない。
しかし、続いた言葉こそが、彼が本当に伝えたかった内容だった。
「この国の上の連中は、最近出没する“死神”…、お前の仕業だって言ってやがる。」
そこで一度、言葉を区切る。
そして彼はさらに衝撃的な言葉を吐く。
「そのこともあって、上の連中は“ちょうどいい”とかって感じで、ダーリシグ帝国に戦争を仕掛けるらしい。」
『戦争…!?』
ちょうどいいって何さ…とAは呆れたように呟く。
そして、何を思い出したのか、Aは急に顔を青ざめさせた。
『ねえ…』
「わかってるよ。あの子だろ?つか俺相手に隠せてると思った?バレバレだよ。」
ま、それをわかってて俺は何も言ってないんだからな?とため息混じりで言う。
その後、2人は今後どうしていくか、を話し合った。
夜は、緩やかに明けていく。
月は、静かに欠けていく。
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夜月(プロフ) - P(リン)さん» 元影猫です。そうでしたか。殿堂入りされた今では、何とも言えませんが……………お答えありがとうございます。 (2014年8月20日 8時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - 影猫さん» 私は好評価のみ受け付けているつもりはありませんよ?そして、申し訳ありませんが私自身このサイトのシステムは理解しきっておりません。なので影猫さんの質問には答えかねます。本当に申し訳ありません。 (2014年8月18日 14時) (レス) id: e39482bc43 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 質問です。何故サクシャサマは『好評価のみ』受け付けておられるのですか?私が評価をしたときは、95名の方が評価しておられたようですが……………このサイトのシステムは、100名ではありませんでしたか? (2014年8月17日 20時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - kum.Aliさん» 応援ありがとうございます!とても励みになります。拙い文章ですが、頑張ります! (2014年3月27日 19時) (レス) id: c342c49956 (このIDを非表示/違反報告)
kum.Ali(プロフ) - ファンタジーって素敵ですよね!あ、いきなりすみません。読んでて文章構成もストーリ性も素敵だなぁっと思ってついコメントを…。羨ましい限りです! 応援してます。これからも更新頑張って下さい^o^ (2014年3月25日 9時) (レス) id: 058c904860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P(リン) | 作成日時:2013年11月2日 22時