17*友人(変人)(エラディ) ページ19
「っあ、ごめんね…、私こっそりお城を抜け出してきてたの。忘れてたわ。私、急いで戻らないとばあやに叱られるわ。」
ルージャはそう言って、Aから離れた。
そしてそのまま、お城の方へと去っていった。
そして、しばらくAはそれを見送り、いざ人間界へ戻ろうとした時、
「よぉ、冷たいねぇ。友達のとこにくらい顔見せに来いってもんだよ。」
Aにとって、若干聞きたくない声が聞こえた。
急に聞こえたものだから、びっくりしてしばらく固まるA。
そして、ひとつ、短くため息をついて、ゆっくりと振り向いた。
「やっほぉ〜。俺、参上!っと。」
真っ黒な翼で、空中を浮遊していた彼は、Aの目の前に降り立つ。
褐色の肌に燃えるような紅い髪の毛、アイドグレースのような若草色の瞳、道化のようにふわふわした雰囲気のなかに、確固とした自己がある不思議な佇まい。
そしてなんと言っても、背中の大きな翼。
一見すると、真っ黒な蝙蝠の翼のような形のもの。
しかし、その蝙蝠の翼で「飛膜」にあたる部分が、よく見ると血よりもどす黒い紅い色をしている。
それを不気味に思う者も、そう少なくはない。
だが、彼は持ち前の明るさのおかげで、翼のせいで恐れられることはほとんどなかった。
彼の名は正式には無い。
しかし、人は彼のことをこう呼ぶ。
「エラディ」と。
これは、死神の世界…ダーリシグ帝国ができるずっとずっと昔の言葉で「明るい人」や「面白い人」という意味を持つらしい。
古代言語は、今でもよく使われているが、それはまた別の話である。
そして、おそらくほとんど全ての人が、彼をこう形容するだろう。
「変人」と。
『…何の用事、ラディ。』
「そういえばさ、俺をそう、あだ名?で呼ぶのって、お前くらいじゃね?」
『それは別に関係ないじゃん。』
「いやぁ、皆さぁ俺のことエラディって呼ぶから、自分でもそう名乗ってるだけなんだけどね。」
『で、何の用事なの。』
相手のペースに呑まれないように、話を元に戻そうと試みるA。
それに対し、エラディは人懐っこそうな笑顔で答えた。
「さっきも言ったジャン↑!久しぶりに友人が帰ってきてるって聞いたから飛んできたんだよ!(物理)」
『その訳のわからない語尾は何なの?』
「気にしないでくれ(`・ω・´)」
捕まったよ…
そして、最後のどう発音してんだ…?
そう、Aは心の中でつぶやき、ため息をついた。
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夜月(プロフ) - P(リン)さん» 元影猫です。そうでしたか。殿堂入りされた今では、何とも言えませんが……………お答えありがとうございます。 (2014年8月20日 8時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - 影猫さん» 私は好評価のみ受け付けているつもりはありませんよ?そして、申し訳ありませんが私自身このサイトのシステムは理解しきっておりません。なので影猫さんの質問には答えかねます。本当に申し訳ありません。 (2014年8月18日 14時) (レス) id: e39482bc43 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 質問です。何故サクシャサマは『好評価のみ』受け付けておられるのですか?私が評価をしたときは、95名の方が評価しておられたようですが……………このサイトのシステムは、100名ではありませんでしたか? (2014年8月17日 20時) (レス) id: 4e87b81b48 (このIDを非表示/違反報告)
P(リン)(プロフ) - kum.Aliさん» 応援ありがとうございます!とても励みになります。拙い文章ですが、頑張ります! (2014年3月27日 19時) (レス) id: c342c49956 (このIDを非表示/違反報告)
kum.Ali(プロフ) - ファンタジーって素敵ですよね!あ、いきなりすみません。読んでて文章構成もストーリ性も素敵だなぁっと思ってついコメントを…。羨ましい限りです! 応援してます。これからも更新頑張って下さい^o^ (2014年3月25日 9時) (レス) id: 058c904860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P(リン) | 作成日時:2013年11月2日 22時