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二人分のコーヒーを持って、ソファに座る先生の前にそれを置いた。
「ん、サンキュ」
「いいえ」
先生が、ずずず、とコーヒーを啜って
うま、って言った。
よかった。美味しく淹れられたみたいで。
「おまえも座れば？」
「はい」
先生に促されて、私も隣に座らせてもらう。
コーヒーを飲んだら、少し落ち着いた。
先生とは、いつも通りの距離だ。
人一人分の距離。
それが縮まることは…きっともう。
「これ飲んだら再開ね」
「はい」
ずずず。
再び沈黙
でも、全然気まずくはない。
「…ね、ちょっと昔話してい？」
「…はい」
コーヒーを飲んでしばらくボーッとしてた先生が
ポツリと呟いた
先生の昔話…
櫻井さんに教えてもらったことはあるけど
本人からは、ない。
ドキドキする。
どんな話をされるんだろうって。
先生がコーヒーをゴクンと飲み干して
はぁー、とため息を吐く。
そして、ゆっくり口を開いた。
「おれさ、高校生から物書きしてるでしょ？」
「はい」
「たまーにね、すっげぇ辞めたくなんの」
「……」
ハハって乾いた笑い声と
とても憂いを帯びた表情で先生が言う
「18で賞取っちゃってさ、最初どうしていいか分かんなかった」
「高校生なんてガキじゃん。
周りはみんな青春してんのに、自分は天才小説家とか言われちゃってさ。天才ってなんだよ。
オレはそんな名声ほしくなかった」
「ただ自分の体験を書いたやつをさ
ノリで送ったら賞取っちゃうなんて思わないじゃん。こえーよ、ホント」
先生が苦笑い。
そうだったんだ…
先生は小説家になりたかったわけじゃなかった？
「なんも意味わかんないままデビューしてさ
生活もそれまでとガラッと変わったわけ
その分お金もなんでも手に入ったけど
それと比例するみたいにオレの心はズタズタで」
「あぁ、また振り出しかよって思った。
せっかく友だちができたのにさ。
気づいたら信用できる人なんていなくなってた」
「それに…オレは昔…
まぁ、分かるでしょ、お前
翔ちゃんあたりに聞いてない？
フレンドシップは、オレの過去だって」
そう言われて
一瞬、ドキリとした
だって、自分の知らないとこで
自分の過去を他人が知ってるだなんて
私だったら耐えられない。
不安になりながら、それでも先生に嘘はつきたくなくて
静かに頷いて見せると
先生はフ、と微笑んで
「これ、覚えてる？」
ピンクの封筒を
私に差し出した
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くぅ。(プロフ) - にのゆうさん» にのゆうさん、コメントありがとうございます！おまけ、読んでくださったんですね！二宮先生は双子ちゃんの子育てにものすごい協力的です笑 そんな旦那さんほしいな〜と思いながら書きました(*^^*) (2017年3月18日 9時) (
レス) id: 6e3d2fccdd (このIDを非表示/違反報告)
にのゆう(プロフ) - おめでとう双子！二宮先生大好きです。 (2017年3月17日 23時) (レス) id: b723ba0669 (このIDを非表示/違反報告)
くぅ。(プロフ) - 愛美さん» 愛美さん、こんにちは〜(*^^*)私もこの二宮先生大好きです笑 不器用なのに嫉妬深いとことか、最高だと思ってます←笑 最後までお付き合い下さって、本当にありがとうございました！(*´ω`*) (2017年3月17日 10時) (レス) id: 6e3d2fccdd (このIDを非表示/違反報告)
くぅ。(プロフ) - ジュンさん» ジュンさん！こんにちは！(^^) 最後の最後に5人揃えられてよかったです笑 途中スランプで書けないことがあったりしたのですが、無事完結を迎えることができました！ありがとうございました(*^^*) (2017年3月17日 10時) (レス) id: 6e3d2fccdd (このIDを非表示/違反報告)
くぅ。(プロフ) - ケイトさん» ケイトさん、こんにちは！楽しんでいただけてなによりです〜(*´ω`*)また、4人のお話ができた時は、よろしくお願いします！(^^) (2017年3月17日 10時) (レス) id: 6e3d2fccdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くぅ。
| 作成日時：2016年5月31日 16時
