そばにいて・・。ｓｈ #51 (ページ17)

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ー1年半前ー③

ぶーこと言われたからかわれていた彼女

気にしてないと聞いていたけど

シャンプー台を掃除してる時に
泣いていたのを見てしまう

理由はわかっていた

その前、トイレに行ってた俺は真向かいにある
スタッフルームから聞こえてきた声に扉を開けられずにいた

あのスタッフの男が彼女に対し暴言を吐く

「なんでお前みたいなのに客が付くわけ？しかも野球選手やサッカー選手とか枕営業でもしてんじゃねーの？あーでもありえねーかデブっててブスな女をわざわざ抱かねーよな、イヤ？性処理ならヤレるか」

さすがに頭にきた

強めに扉を開けると

『こ、これは上林様いらっしゃいませ』

声は震えていて直ぐに去ってしまう

「あんたちょっといい？」
「はい？」
「今、こん中で聞こえたんだけど」

扉をドンドンと叩いた

「俺の彼女に何言ってくれちゃってんの？」

「は？ぶーこがバヤシさんの彼女？嘘でしょ趣味悪いっすよ」

「そのぶーこってのも止めてくれる？俺にはあんたがどーしてこの店で働けてるのかわかんねーわ」

「腕でしょーよ」

「話になんない訴えるかもしんないから覚えといて」

「なんでバヤシさんに訴えられなきゃなんねーの？」

「だから言ったじゃん俺の彼女だって！」

「お客様に向かって何て口のきき方してんだ悪い誠ちゃん」

「ユウさん俺、マジで訴える考えですから」

そう言ってその場を離れた

シャンプー台を掃除しながら泣いてた彼女は俺に気づくと背中を向けタオルで顔を押さえて大きく深呼吸するとこっちを向いた

『上林様お待たせしましたこちらへどうぞ』
「大丈夫？」
『はいっ大丈夫です』

今はそれ以上は言えなかった

帰り際お店のドアを開け階段を下りかけた時
後ろから声がする

『上林さん今日は見苦しいとこお見せして申し訳ありませんでした気をつけてお帰りください』

深々と頭を下げて店に戻った彼女

俺は帰れずにいた

真っ暗になった店からユウさんと彼女が出てきた

「誠ちゃん？」
「お疲れっす」
「今日のことだよな？俺の監督不行届だスマン」

店長のユウさんは俺に謝る

「ユウさん謝るのは俺にじゃないっすよ？
Aさんにだから」

「うん、分かってる今から食事に行こって思ってさ誠ちゃんも一緒に行く？」

『あーだったらお二人で行ってきてください私は帰ります』

店長と俺の間をすり抜けて彼女は歩き出した

「ユウさん悪りぃ…今日は彼女をかりるね」
「え？誠ちゃん」

。