はじめてのひと#78平石洋介 (ページ5)

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翌日、野球教室を終えてから車を走らせ

武蔵町のじいちゃんのとこへ向かった

「じいちゃん、元気にしとったか？」

「元気すぎてこまっとる、お前は辞めてからのほうが忙しそうやね」

「おかげさまで」

「まぁ久しぶりやゆっくりしていき」

「なぁ、じいちゃん Aを覚えとる？」

「お前の口から、Aちゃんの名前が出てくるとはな、ここに来る時あるよ、どうかしたんか？」

「ここに？昨日、会ったんよ能見邸で、琴弾いてた、じいちゃんAがなんでここに来るん？」

「お前は何も知らんのやな」

じいちゃんは腰を上げて何かを持って戻ってきた

何冊ものスクラップブック

「洋介の現役時代の記事や写真や」

「これは？」

「Aちゃんが仙台にいるときにたまると送ってきてくれてた、美味いもんと一緒に」

「Aが仙台に？いたの？」

「おうたことなかったんやな、俺は仲ようしよると思ってたけん」

「知らなかった、Aが仙台にいたなんて」

「俺は洋介はAちゃんと一緒になるって思ってたけな」

「じゃあ、俺が結婚報告した時にあまり喜んでくれんかったのはそれでか？」

「もう忘れたよ」

「じいちゃんは、なんでAちゃんやないんか？って俺に言うたんよ」

少し分かった Aのこと

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