HAWKS短いお話 Ⅱ (ページ8)

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癒しのスイーツ①#51上林誠知ページ8

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俺の住むマンションから徒歩圏内に

知人が店をオープンさせた

通うと太りそうなスイーツの店だ

開店から5日目、やっと顔を出せた

柊｢せーじ忙しいのにありがとな｣

｢いやっそれはいいけどケーキないじゃんか｣

柊｢喜んでくれよ、あと20分で閉店で全部売れてんだからすごいことで｣

｢そりゃわかるけどさ｣

食べたかったのが本音

柊さんのケーキは本当に美味くて大好きだ

｢あーあっ抹茶のケーキ…どんな味なんやろ｣

子供みたいに残念がる俺にあるはずのない抹茶ケーキが運ばれてきた

「ん？んんっ？」
柊｢なんで？｣

ホールから柊さんの奥さんの舞さんが

舞｢オープンしてから毎日来てくれてるAさんが取り置きしてる中に抹茶ケーキがあるから美味しいので食べてもらってくださいって｣

｢//マジか｣

柊｢Aさんまだいる？｣

舞｢帰ったよ笑いながら、また明日来ますって｣

｢あ、じゃあお返しします俺｣

柊｢彼女は全種食べるのに毎日来てくれてるんよ｣

｢へー大事にしないと｣

柊｢Aさん野球見にいくらしいよ｣

「えーマジで、可愛い？」

柊「どーだろ？」

舞「可愛いですよ、私は好きだな」

舞さんがケーキと紅茶を置いてその場からいなくなってすぐ

柊さんが俺に耳打ちする

柊「俺も可愛いと思うよ、あいつの前で言えなかっただけや」

「なるほど」

二人で目を合わせ笑った

「いただきます」

手を合わせ抹茶ケーキを味わった

ほんのり口の中が抹茶の余韻を残し

俺は歩いてマンションに帰ると

ちょうど扉の閉まりかけたエレベーターに滑り込んだ

「うわっダセっ」
『あっ大丈夫ですか？』

腕を挟みかけた俺を心配してくれた女性が慌てて
開のボタンを押してくれてた

『だめですよ、慌てないでください、大人なんですから』

にっこり笑う女性を見て顔から火が出そうになった

『何階ですか？』
「あ、７階ですありがとうございます」

下りる階を押してくれてからすぐ２階の扉が開き女性が降りた

『お先です』

「は、はいお疲れ様っす」

「あっ」

柊さんとこの紙袋を下げていた女性に気づいたけど

遅かった…

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